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資料館だより(538号)

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鹿児島県中種子町

■門松の意味は?
玄関や門の前に飾られる門松ですが、飾ることにどのような意味があるのでしょうか。お正月には年神様がやってきます。年神様は特定の宗教の神様ではなく、その年の福や徳をつかさどる歳徳神(としとくじん)や穀物の神、先祖の霊などの複数の神様が一つにまとめられた民間信仰として伝わったものとされています。その神様が家へ訪ねてくるための目印が門松の役割です。
門松には松や竹、梅などの飾りが使われています。それぞれどのような意味があるのかをご紹介します。
松は古来より神が宿る木として考えられてきました。また、一年中緑の葉をつける常緑樹であることから永遠の命の象徴とされています。
竹は生長が早く、生命力や繁栄の象徴とされています。
梅は他の花に先駆けて早春に咲くことから、出世や開運の象徴としての意味合いがあります。
近年種子島では寸胴タイプで孟宗竹などを飾る門松が増えています。
古来種子島では門松とよばず門木とよんでいました。門木には集落や地域、身分で違いはあるが、マテ、椎、クヌギ、松、竹、松は根引きの松、竹はコサン竹などを使っていました。山ビワやマテの木を1尺ほど切り割り木にして3本または5本にして縄でくくりつけました。門木のまわりには砂をまいたり盛ったりもしています。山に門木の材料を切りに行く日は鳥が鳴く前の早朝に行ったり砂を取りに行くときは人気を避け裏道を通って取りに行ったりと様々です。正月、車を走らせ昔の風習が残っているのか見て回るのも面白いかもしれません。

町文化財保護審議員
住岡 重寛

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