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自治体の皆さまへ

令和5年度 施政方針(4)

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鹿児島県伊佐市

◇基本目標6 安全、安心な住みよいまち
・社会基盤、生活環境
公共交通については、高齢化、過疎化が進む中、重要な地域基盤であり、市内バスや乗り合いタクシー等の利用促進を図りながら、令和4年度に策定する地域公共交通計画を基に、公共交通利便増進計画を策定し、持続可能な公共交通体系の再構築をめざします。
また、市内交通事業者と連携し、公共交通網の適正な維持のため、乗務員の育成、確保に努めます。
情報通信体系の基盤は、光ブロードバンド網(※11)を市内5基地局で整備済であり、今後は市の周辺部においてもその恩恵を享受できるよう、事業者と連携してまいります。
公共インフラ(※12)においては、頻発する大規模災害からの教訓を受けて「防災・減災、国土強靭化」への対策がますます重要となっています。
道路や橋梁、河川環境については、国や県、関係団体と一体となり計画的に必要な補修・整備を進め、気候変動による気象災害や環境の変化に伴う影響を最小限に止めるよう、適切な安全管理と被害防止に努めるとともに、引き続き長寿命化計画に基づき公共インフラの安全性の確保を図ります。
環境の保全においては、合併処理浄化槽への転換補助を拡充するとともに、Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)(※13)の3つのRに取り組む3R運動、空家対策、不法投棄対策などについての取組をさらに推進し、安心して快適に暮らせる生活環境の整備に努めます。
水道事業では、健全な事業経営の維持を図るために経営戦略の見直しを行うとともに、布設後40年以上経過した老朽管を順次更新し耐震化を進めながら、安全で良質な水の安定的な供給に努めます。
土地利用においては、都市計画マスタープラン(※14)の見直しのための基礎調査に着手し、秩序ある都市機能の発展や適正な土地利用のための方針を定めてまいります。
災害等の緊急時の対応としては、引き続き地域や消防団と一体となり市民の防災意識の高揚を図りながら、緊急速報メールの配信先の拡充を行うとともに、懸案であった市内全域をカバーする防災行政無線の整備に向けた準備に取り組みます。
また、特殊詐欺、消費生活に関する被害の防止のための啓発や相談体制の充実に努めます。
交通安全キャンペーン等を通して、市民の交通安全意識の高揚を図るとともに、運転に不安を抱える高齢者等の運転免許の自主返納を促す取組を継続しながら、ガードレール等の交通安全施設や区画線の整備、通学路の安全対策の強化に取り組み、安全で安心な暮らしの充実を図ります。

◆3.行財政改革の概要
年々、多様化、細分化してきている市民ニーズに対し、機動的に対応することが行政に求められています。
しかしながら、人口、経済などが右肩上がりに成長を続けていた時代とは異なり、より効率的で、より効果的な対応を追求していかなければ、行政運営が立ち行かなくなることが予想されることから、行財政改革を継続していくことが必要となってまいります。
官民連携を進めながら公共施設の効率的な管理運営に努め、社会情勢や行政課題の変化に対応するため、事務事業の見直し、組織機構の見直し等を継続して実施し、併せて、自治体DX推進の全庁横断的な組織体制のもと、本市におけるDX推進方針を定め着実に取り組むことにより、市民の利便性の向上を図るとともに、業務の効率化を進め、持続可能な行政運営に努めます。

◆4.最後に
新型コロナウイルスの感染拡大や、ロシアによるウクライナ侵攻に起因する、食料やエネルギー等の価格高騰などにより、市民生活は大きな影響を受けることになりました。
昨年4月には、日本フードパッカー鹿児島株式会社の撤退が表明され、地域雇用のあり方について、大きな不安と課題を突き付けられました。
しかし一方で、伊藤ハム米久ホールディングスの子会社であるサンキョーミート株式会社の本市への進出が発表され、また、長年取り組んできた特別支援学校の誘致においても、鹿児島県教育委員会が設けた検討委員会において、伊佐・湧水地区への設置が必要、とする提言がまとめられるなど、市民のみなさまに明るい話題をお伝えすることもできました。
困難な状況を打開するために、熱意を持ってしっかりと取り組んでいくことが重要であることを改めて認識したところであります。
伊佐市が誕生して15年目を迎え、市長として3回目の当初予算編成においては、国・県の施策や市においての夢や課題を含めて各課の事業内容の説明を受けながら、意見をぶつけ合い議論を重ねながら作業を進めてきました。
急激に変化する国内外の情勢において変革を求められる時代にあっても、行政の継続性は維持しながら、同時に地域の資源を活かしていくために、挑戦し続けなければなりません。
財政的に厳しい状況は続いておりますが、防災行政無線の整備や新庁舎建設に向けた取組など、多額の予算を伴うものの、実施することが不可欠な事業を着実に推進しつつ、教育、子育て支援、新事業創出、公共インフラ、環境衛生、移住・定住、スポーツなど、さまざまな分野で新たな取組を進めながら市政を運営してまいります。
鹿児島県が生んだ偉大な成功者である稲盛和夫先生の著書の中に「動機善なりや、私心なかりしや」という言葉があります。
『仕事を進めていくうえでは、「私心なかりしや」という問いかけが必要です。自己中心的な発想で仕事を進めていないかを自己点検しなければなりません。動機が善であり、私心がなければ、結果は問う必要はありません。必ず成功するのです。』と説明されています。
夢ある伊佐のために、過去を省みながら今に最善を尽くし、失敗を恐れないチャレンジ精神を持ち続けながら前に進んでいきます。
改めて市民のみなさまのご理解とご協力をお願いいたしまして、令和5年度の施政方針といたします。

(※11)光ブロードバンド網…光を利用した、高速で大容量なデータ通信ができるインターネット回線のこと
(※12)インフラ…産業や社会生活の基盤となる施設。道路、橋りょう、ダム、学校、病院、公園など
(※13)Reduce…ごみの発生抑制、Reuse…再利用、Recycle…再資源化
(※14)マスタープラン…基本的な方針・計画のこと

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