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自治体の皆さまへ

基幹相談支援センターだより(8)

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鹿児島県伊佐市

◆孤独と孤立について
みなさんは「孤独」と「孤立」と聞いてどのようなイメージが浮かびますか。また、この2つの言葉の違いはなんでしょうか。
「孤独」は「孤独感」という言葉があるように、主観的な体験です。本人が持ちたいと望んでいる社会的関係の程度や頻度に比べ不十分であるときに人は「孤独」を感じます。
「孤立」は「社会的孤立」という言葉があるように、客観的なもので、社会的関係のネットワーク(つながり)が少ない状況です。社会的関係とは家族・親族関係、友人関係、近隣関係等を指します。具体的には日常生活の困りごとがあったときに、助けてくれる人がいない、相談できる人がいないといった状況になります。
このように社会的に孤立していると孤独を感じる可能性は高まりますが、社会的に孤立していなくても孤独を感じる人もいます。つまり同じ状況であっても孤独を感じる人とそうでない人がいるということです。これはその状況をその人自身がどう考える(認知する)かによって変わってきます。
例えば、一人で食事をしている風景を想像してみましょう。これは客観的に見ると孤立した状態と言えます。この状況を「人と話をしながら食べたいのに一人だ」と考えると孤独と感じるでしょうが、「一人でゆっくりと好きなように食べられる」と考えれば孤独ではなく楽しく感じるかもしれません。
最近「ソロ活」という言葉が聞かれるようになっていますが、あえて孤立した状況を作り出し、一人の時間を楽しむことに価値があるという考えも認識されています。
もちろん人とのつながりが重要であることに変わりはないのですが、それ自体をストレスに感じてしまうという人にとっては、一時的に自ら孤立状態にすることで気分転換ができるということを考えると「ソロ活」はポジティブなイメージの言葉になります。
また日本人は文化的な特徴から諸外国に比べると仕事以外に人と付き合いがない人の割合が多い傾向があると言われています。関係が全くない状態から人と交流することが苦手な人が多いようです。
そういったことからも日常的に〝つながる〟〝つながらない〟という2択ではなく、必要な時に安心できる人だけとつながることができるといった〝ゆるいつながり〟という視点も必要になってくるのではないでしょうか。
つまり孤立している状況、それ自体が問題というよりも、孤独を感じて、その孤独に苦しんでいる状態や助けてほしいけど「助けて」が言えない環境の方が問題なのかもしれません。
近年はオンラインを活用した方法やつながり作りに焦点を当てた取り組みも増えてきています。自分にとって心地よい環境や人とのつながりとは何か、考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料:
・孤独と孤立~自分らしさと人とのつながり/日本看護協会出版会
・メンタルヘルスマガジンこころの元気+/NPO法人地域精神保健福祉機構

問い合わせ:伊佐市基幹相談支援センター(伊佐市役所福祉課内)
【電話】23-1317

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