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あっぱれ!伊佐盛(イサモリ)Vol.39 料理人×ふるさと×SDGs

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鹿児島県伊佐市

・冨重 正宣さん

伊佐市の名産品「金山ねぎ」、出荷準備の際に、商品の規格から外れた青葉部分が大量に廃棄されていることをみなさんはご存知ですか?12月中旬、その廃棄されるはずだったものを使って開発された「金山ねぎアヒージョオイル」の販売が始まりました。結果は大好評。慌てて追加販売を行ったそうです。
「フードロス削減!食で鹿児島や故郷の伊佐を盛り上げたい!」と熱い想いを語るのは、商品の開発者で料理人の冨重正宣さん。伊佐市菱刈の出身で、東京の調理専門学校卒業後に単身渡仏、帰国後は城山ホテル鹿児島で料理の腕を磨いたのち、産婦人科シェフや高校の非常勤講師など、さまざまな経験を経て2020年にボランティア団体「MASA’S KITCHEN(マサズキッチン)」を立ち上げました。
「メンバー構成は大学生から70代、フランス人の方などさまざま。社会貢献、地域振興、環境活動に繋がる料理を、というコンセプトのもと活動しています。KITCHENといってもメンバーの中で料理人は私含め2人なのですが(笑)」と団体について教えてくれました。
これまでの活動は、コロナ禍で疲弊する医療従事者への料理提供ボランティアや、ウクライナ支援を目的としたチャリティ食事会、災害ボランティア、食材の地産地消活動などを行っており、伊佐市でも、令和3年7月に発生した豪雨災害では、猛暑のなか後片付け作業を行う住民のみなさんにカレーライスとパエリアを振る舞いました。
さまざまな活動を行っていますが、なかでも、フードロス削減活動については、団体結成前から約10年にわたり取り組んできたそうです。当時、高校の非常勤講師をしていた関係で、授業の素材探しのために、農家や選果場を見て回っていた冨重さん。ミニトマトの選果場を見学した際に、片隅に置かれた大量のミニトマトが入った箱が目に留まりました。何に使われるのか尋ねると「廃棄」との答え。「大きさや傷が原因で商品として出荷できないもので、味は商品としてお店に並ぶものと変わらない」という話を聞いて、驚きとともにもったいないという気持ちが湧き上がったそうです。料理人として何かできることはないかと考え、さっそく活用方法を模索、試行錯誤のうえ、規格外トマトを使った冷凍ソースを開発しました。「〝もったいない〟という言葉が生まれた日本では毎日、ひとりあたり茶碗1杯分の食材が廃棄されている。この時の経験はとても貴重なものでした」と当時を振り返ります。
SNS等を使って食の魅力発信も行っている冨重さんは、生産者の想いや食材のことをもっと知るために、定期的に農家の手伝いに出向いているそうで、金山ネギの廃棄があることもその活動を通して知りました。「農家さんの想いや苦労を感じることで、食材を無駄にはできないという思いがより強くなる」とフードロス削減第2弾への想いを話します。
「伊佐には、お米や焼酎以外にも誇れるものがたくさんあって、それぞれが大きな可能性を秘めている。金山ねぎもそのひとつ。今回の話題性も含め、金山ねぎという名前が広がり、伊佐の魅力発信に繋がれば嬉しい」と話す冨重さん。伊佐の魅力を知ってもらえるような活動を続けていくと話す姿には、伊佐への愛が溢れていました。

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