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自治体の皆さまへ

命の記憶を後世へ。

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鹿児島県 出水市

■「二度とあのような悲劇が起きないでほしい。」
針原自治会の山﨑昌和会長は21名の名が刻まれた慰霊碑の前で当時を振り返った。

「住民の誰もが想像していなかったと思います。私自身もそうです。
山が崩れるなんて。土石流が集落を襲うなんて。
しかし、現実にこの場所で26年前に起こりました。
“もしかしたら”という危機意識を少しでも多くの人と共有できていればと、後になって悔やまれます。」

[出水市針原地区土石流災害]
平成9年7月7日
出水市に大雨・洪水警報が発表され、以降断続的な大雨に見舞われた。

7月9日
午前11時、1時間に60ミリを超える記録的な豪雨。
その後、針原川が氾濫。
午後5時、避難所開設。
午後9時、雨が止み小康状態。
午後11時、針原川の水位が低下。

7月10日
午前0時44分、針原川上流の山腹で土石流が発生。
-約30秒後下流にある針原集落を土砂が襲う-
大量の土砂は16世帯48名を巻き込み、
21名の貴い命を一瞬で奪った。

■-災害を経験して-
「天災は私たちの想像を超えてくる。早めの避難しか方法はない。」
阪神淡路大震災や東日本大震災など、天災は私たちの想像をはるかに超えた勢いで襲ってきています。針原もそうでした。
あの日を経験し感じたことは「早めの避難」の大切さです。
被災した人の中には避難する準備をしていた世帯もありました。
私たち人間が天災を免れるには、情報を集め、早めに安全な場所へ避難するしか方法はありません。

■-教訓を活かす-
「安心できる環境づくりと情報共有で誰ひとり取り残さない。」
私たち針原自治会は被災後、災害発生の危険性が高まる状況などに応じて、自主的に公民館を避難所として開設しています。市指定の避難所開設前に開設することで、自治会の方々の不安を和らげ、早め早めの避難準備を促すことに繋がっています。公民館は市指定の避難所よりも距離が近く、避難してくる人も知人ばかりなので、安心して避難ができます。
また、地域の防災意識をより高めるため、米ノ津東地区コミュニティ協議会が各自治会へ手作りの防災マップを作成してくださいました。このマップで防災情報を共有し、安心できる環境づくりに地域全体で取り組んでいます。

▽自治公民館を身近な避難所へ 令和5年4月自主防災避難所登録制度開始
針原自治会を始め、複数の自治会では災害発生の危険性が高まった際、自主的に自治公民館を一時的な避難所として開設していただいておりました。市では近年の災害の頻発化・激甚化を踏まえ、自治公民館を自主防災避難所として正式に登録する制度を新設し、各地域の防災力を高める備品の整備や活動を支援します。

[登録後の支援]
・防災用資機材や空調機等の整備事業補助
・市が開設する避難所と同様の物的支援
・防災普及活動の実施に関する支援

■-災害に備える-
『自助』自分※の命は自分で守る ※家族も含む
過去の災害現場で救出された方の約7割は『自助[自力・家族]』であり、その重要性が年々高まっています。
×
『共助』地域で協力して助け合う
×
『公助』公的機関による援助・救助

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〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

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