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自治体の皆さまへ

【特集】空き家から生まれるありがとう。

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鹿児島県 出水市

■95%※
この数字は、これまで市の空き家バンクに登録した物件のうち、売買等が成立した割合です。そんなに売れているの?と思った方も多いはず。これまで約100件の空き家が登録されてきましたが、築100年を超える古民家から数年前に建てられたものまで、種類は様々。決して綺麗とはいえない状態の物件でも、欲しい!住みたい!という人が次から次に見つかる空き家バンク。どんな人が登録しているの?買っているの?ちょっと気になる空き家バンクの世界。空き家はないから自分には関係ない?いえいえ、空き家の問題は誰しも突如襲ってくる可能性があります。今回、実家を空き家バンクに登録し、売買が成立した事例をご紹介します。お盆で家族や親族が集まるこの機会に、みんなで「家」のこと考えてみませんか?
※令和4年までに登録された物件のうち7/19時点で売買等が成立している件数の割合

■「ありがとう。」
前の所有者 中村八重子さん
阿久根市在住

▽空き家となった実家
私は生まれも育ちも高尾野町で、父と母、兄の4人で暮らしていました。その後結婚し、阿久根市へ引っ越しました。両親より兄が先に亡くなってしまい、その後両親も他界。私が実家を相続しましたが、既に家を建てていたため、突如実家が「空き家」になってしまいました。

▽家を残したい
空き家になってから月に数回、家の空気の入れ替えや掃除のために帰っていました。空き家になったとはいえ、両親が苦労して建てた、思い出がいっぱい詰まった家なので管理だけはちゃんとしようと決めていました。結局4年ほど空き家の期間があり、その間自分でお店をしようと考えた時期もありましたが実現しませんでした。実家を壊したくないという思いで活用方法を模索する一方、日に日に家は傷んでいくというもどかしい日々を過ごしました。

▽悩むより行動
ある時、知人から家が売れた話を教えてもらいました。古い家で状態もあまり良くなかったようですが、空き家バンクに登録したら欲しいという方がすぐに見つかったとのことでした。話を聞いた後、気がつくと私は市役所で空き家バンクの登録手続きをしていました。悩むよりもまず行動。田舎の築50年以上の家が本当に売れるのかという思いと、家を残したまま活用してもらえるかもという僅かな期待が交錯する中、連絡が来るのを待ちました。

▽驚きの連続
見学したいという問い合わせが数件あったのもびっくりしましたが、一番はその方々が埼玉や愛知など遠方の方ということでした。しかも皆さん立地環境や家を気に入っていただいていたのが本当に驚きで。結果的に登録から半年で市川さんと契約することができました。

▽空き家を所有している方へ
実は登録時、親が建てた家を他の人に売っていいものかと後ろ髪を引かれる思いでした。しかし、かつての実家で楽しそうに生活している市川さんを見て、その思いは消えました。家で楽しく生活してくれること、それが一番。きっと両親も喜んでくれています。市川さんには本当に感謝しています。空き家の管理で悩んでいる方、手放したい方、貸したい方、思い切って登録してみてください。

■「いえいえ、こちらこそ。」
今の所有者 市川和正さん
愛知県から移住

▽愛知から移住
私と妻、どちらも愛知県出身で出水へ来る前は家の近くに大型ショッピングセンターが3つもあるようないわゆる「都会」で生活していました。充実していましたが、仕事に追われる日々を何年も過ごしているうちに、仕事に疲れ、街での生活に疲れ、ついには体が悲鳴をあげてしまいました。そこで、退職を気に今と全く違う環境でゆっくりと生活してみたいと妻へ提案し、地方への移住を決めました。

▽移住先の条件
移住先を選ぶに当たって、条件がいくつかありましたが、まちの風土や住みやすさが鹿児島県で1番という情報を見て、出水市が候補に上がりました。大分県のまちと悩みましたが、最後の決め手はまちに大きなホームセンターがあったこと。(笑)が好きで、移住先では中古物件を自分の好きなように改修したいと思っていたので、個人的にホームセンターは必須でしたね。

▽空き家バンクの活用
中古物件を探す際に利用したのが空き家バンクでした。賃貸ではなく、購入予定だったので、売物件が多い空き家バンクで探今の所有者市川和正さん愛知県から移住愛知から移住移住先の条件DIY空き家バンクの活用し、今の物件と出会いました。驚くような金額で、半信半疑のまま見学に行きましたが建物の状態も良く、周りの自然環境も素敵で即契約しました。後日談で、他にも購入検討されている方が数名いたようだったので、もし悩んでいたら今頃私はどこに住んでいたのでしょう。(笑)

▽つながり
見知らぬ地への移住は不安でしたが、前の所有者の中村さんが気にかけてくれたり、地域の方が優しく声をかけてくださったおかげで、スムーズにまちへ溶け込めました。自分の好きな仕事ができ、庭で野菜を育て、温泉で体を癒し、新鮮な食材でお腹を満たす。最初は3割ほどしか理解できなかった出水弁にも少しずつ慣れ、かつて思い描いた理想の生活を今叶えられています。それもこれも空き家バンクでつながれたからこそ。中村さん、ありがとうございます。

▽空き家を所有している方へ
空き家を売りたい方も貸したい方も、まずは空き家バンクに登録ですね。登録をすれば市内の方はもちろん、全国の地方移住希望者があなたの物件を見ることができます。あなたの空き家に住みたい方、必ずいますよ。

(1)空き家を『売りたい・貸したい方』(買いたい・借りたい方もどうぞ)
あなたの空き家の情報をたくさんの方に発信できる空き家バンクの登録をオススメします
・空き家バンクを見たい。登録したい。
『空き家バンク登録物件限定』
・改修・家財処分・清掃各費用の一部を補助しています

(2)空き家を『解体したい方』
・住宅解体工事費の一部を補助しています
・空き家バンクや改修・解体補助については建築住宅課へお問い合わせください。

問合せ:建築住宅課
【電話】63-4066

(3)空き家に関する『さまざまな専用相談窓口』
相続に関する相談やリフォーム・解体を行う市内事業所の紹介など、空き家が抱える様々な問題に対応できる相談窓口の一覧です
・空き家相談窓口事業者一覧
※詳細は本紙をご参照ください。

▽亡くなった方の不動産の名義そのままにしていませんか?
土地や建物の所有者が亡くなった場合、その所有権の移転の相続登記が必要です。令和6年4月1日から相続登記が義務化されます。相続登記がされていない土地は所有者不明となり、管理や利用が難しくなるほか、公共事業の妨げとなるなど様々な問題が生じています。義務化に関する詳細は、ホームページをご覧になるか法務局へお問い合わせください。

問合せ:鹿児島地方法務局川内支局
【電話】0996-22-2300

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