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自治体の皆さまへ

3月は自殺対策強化月間です

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鹿児島県南さつま市

今回は、鹿児島県精神保健福祉センターの春日井所長に「高齢者の自殺と自殺予防」をテーマとしてご寄稿をいただきました。

■春日井基文(かすがいもとふみ)
平成19年鹿児島大学大学院医歯学総合研究科修了
精神保健指定医
日本精神神経学会精神科専門医・専門医指導医
鹿児島大学医学部臨床教授
慈愛会谷山病院、県立姶良病院を経て鹿児島大学病院神経科精神科で勤務。令和4年4月から鹿児島県精神保健福祉センター所長。

◆寄稿
○高齢者の自殺の現状と特徴
令和4年人口動態統計をみると、鹿児島県の自殺者のうち60歳以上の高齢者が47%を占めています。高齢者の自殺の原因・動機として「健康問題」が最も多く、その中にはうつ病などの精神科の病気も少なくありません。加えて、近親者の死別などの喪失体験もあります。高齢者の自殺は同居人がいる場合のほうが多いことに注意が必要です。その背景には老老介護の問題や「家族に負担をかけている」「居場所がない」などの家庭問題、経済・生活問題があります。

○高齢者のうつ病・うつ状態
高齢者のうつ病・うつ状態は気づかれにくいことが少なくありません。それは、気分の落ち込みよりも不安や焦燥感、身体的不調の訴えが目立ち、一見するとうつ病・うつ状態のようにみえないことがあるからです。また、意欲や活動量が低下したり、物忘れを訴えることもあり、認知症と間違われることもあります。いつもと違う様子や不眠が続く場合はうつ病・うつ状態を疑って早めに相談機関や医療機関につなぐことが大切です。

○自殺を防ぐために私たちができること
いつもと違う様子に気づいたら、勇気を出して声をかけて下さい。
まずは相手の気持ちに寄り添ってじっくり聴くことがポイントです。
もし「死にたい」と打ち明けられたら、まずは自分自身の気持ちを落ち着かせることが必要です。
叱ったり、自殺の是非を言い争ったり、安易に励ましたり、話をそらしたりせず、死にたいほどつらい状況に耐えてきたことを労い、勇気を出して「死にたい」と打ち明けたことに感謝を伝えて下さい。そのとき、「他の人には秘密にして」と言われても約束せず、相手を心配していること、死にたいほどつらい状況をみんなで解決する方法を考えたいことを伝え、自分ひとりだけで抱え込まず、家族や相談機関・医療機関の専門職と共に対応を考えるようにして下さい。もし、自殺の危険性が高いと思ったら、1人にせず安全を確保し、周囲の人と協力して対応して下さい。
各機関につないだ後も本人を温かく見守り、孤独感を軽減する働きかけが自殺予防に有効です。最後になりますが、私たちひとりひとりが自殺を防ぐためにできることを行い、誰も自殺に追い込まれることのない社会が実現することを願っております。

○相談窓口
保健課地域健康係【電話】76-1513
・臨床心理士による心の相談会(月1回・予約制)
・保健師による相談は随時

鹿児島県精神保健福祉センター
電話相談【電話】099-218-4755
月~金曜日 午前9時~午後5時
※祝祭日・年末年始の休みを除く

鹿児島いのちの電話
【電話】099-250-7000
24時間365日

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