災害派遣名:令和6年能登半島地震対口支援
派遣先:石川県輪島市
派遣職員及び派遣期間:
第13陣 5月20日~5月28日 西原舟太
第14陣 5月23日~6月1日 東雄大
業務内容:住家被害認定の二次調査
自治体が罹災証明を発行するための現地調査。一次調査を受けた被災者から再調査申請があった住家について、被災者立ち合いのもと二次調査を行う。
■輪島市の状況
道路等については、最低限度の修繕が施されているものの、町並み全体としてはほとんど被災時そのままと言ってもよいほど、復旧が進んでいない印象を受けた。調査に向かう道中においても、崖崩れや道路陥没等による通行止めが多々見受けられた。
生活状況に関しては、被害が少なかったスーパーや飲食店などは営業を再開しており、徐々に日常生活が戻りつつあるように感じた。しかしながら、多くの家屋が住める状態ではないため、多くの住民が仮設住宅での生活を余儀なくされていた。また、観光地として有名な輪島朝市では、地震による火災で多くの被害を受け、未だに焦げた匂いが残るなど被災時そのままの状態となっており、復興には多くの時間を要すると思われる。
■住家被害認定の二次調査
二次調査では、住家の外部調査及び内部調査を行い、住家全体の損傷具合を確認し、全壊、半壊等の判定を行う。
1戸あたりの調査時間は約1時間30分程度。まず、外部調査では、住家の傾き、基礎、屋根、外壁等の損傷具合を内閣府基準に基づき判定する。(損傷レベル0~5)
次に、内部調査では、すべての部屋の天井、床、壁、建具等の損傷具合を内閣基準に基づき判定する。(損傷レベル0~5)
最後に、外部調査及び内部調査結果を集計し、総合的な判定(全壊、半壊等)を行う。
■災害派遣を通じて
▽西原舟太
今回の災害派遣を通じて、防災について改めて考え直すきっかけとなりました。
印象深かった経験として、町野地区の調査に行った際に、地区全体の約3割程度の家屋が倒壊している現場を目の当たりにし、衝撃的だったことを覚えています。現地の方からの話では、地震発生直後は自分たちで倒壊した家屋から救助活動を行ったが救えなかった人がいたことや支援物資が届くまでの期間をお互いに協力して乗り越えたなどとても衝撃的な話でした。
高齢化が進む本町においても、万が一という時のために日頃から家族や近隣住民と協力し合える体制づくりがいかに重要であるかを感じました。そして、最終的には、自分の命は自分で守るしかないため、常日頃からの防災への備えが重要であると改めて感じました。
今回の経験を忘れず、今後の業務などに役立てていきたいと思います。
最後に被災された方々に心よりお見舞い申し上げますと共に一日でも早い復興をお祈りいたします。
▽東雄大
私は鹿児島県チーム第14陣のメンバーとして、全国各地の自治体職員と共に4~5名で班を構成して被害認定調査に従事しました。派遣職員のほとんどが私も含め、事務職であり、知識や経験が不足する中での業務だったため、初めは不安でしたが、他の自治体派遣職員のおかげで多くのことを学ぶことができました。
今回の災害派遣を通じて、改めて地震の恐ろしさを身をもって感じました。個人の感想としては、東日本大震災と比べて、マスコミやネットで被災地を取り上げられる量は少なく感じ、損壊家屋がそのままに残され、復旧が全然進んでいないことに驚きました。現地に行ったことで、被災の状況を自分の目で見て、肌で感じることができ、人生において大変貴重な経験をしました。
今回の災害派遣で学んだことを財産として今後の業務に生かしていくと共に、被災地の一日でも早い復興を願っております。
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