公益財団法人慈愛会と垂水市の包括連携協定のもと、今村総合病院の医師等の皆様にご協力いただき、市民の皆様の健康増進及び子育て支援啓発を目的に、4か月に1回、皆様にお伝えしたい情報をコラム掲載いたします。
■子どもの言葉の発達について
子どもの成長に関して、特によくあるお悩みが言葉の発達についてです。周りの子どもと比べて、言葉が少ない事や言葉が出ていないと不安に感じるかもしれません。言葉を覚え、話し始める時期には個人差があります。今回は、言葉の発達の順序と言葉の発達を促すポイントをお伝えします。
生後1~2か月頃になると、「あー」や「うー」といった発声が見られるようになります。このような発声のことをクーイングと呼びます。口腔内が発達したことで出るようになる柔らかい母音の発声です。
生後6か月頃になると、「ままま」や「ぱー」などの喃語(なんご)が出てくるようになります。この頃には、喉だけではなく舌や唇を使って発声するようになります。
1歳頃になると、「まんま」は食べ物のこと、「わんわん」は犬のことというように、言葉とその意味の結びつきが分かるようになり、意味のある一語文として話すようになります。また、「もっと」「だっこ」というような欲求も、言葉で伝えるようになっていきます。
1歳半頃〜2歳半頃になると、「ママ だっこ」「でんしゃ きた」など、単語を組み合わせて、徐々に長い文章を話すようになります。二語文で話せるようになると、周囲とコミュニケーションを取りやすくなり、意思を伝えるのもうまくなる時期です。
2歳半頃になると、「ママ おしごと いくの」「くるまの ごほん よんで」など、三語文を使い始める時期です。「どうして?」「なぜ?」という疑問も増えてきます。
3歳〜5歳では、「あめがふっているから、そとにいけない」といったように、2つ以上の述語が組み合わさった複文を話せるようになる時期です。代名詞や助詞などの文法を使い、日常的な言葉のやり取りができるようになります。
言葉の発達を促すポイントとして、積極的に子どもに話しかけ、たくさんの言葉を聞かせるようにしましょう。やや高めの声でゆっくり抑揚をつけて話す事で、子どもにとって心地良く安心できる印象になります。また、子どもの話にあいづちを打つ事や言葉を考えている時には待ってあげる事も必要です。そして、うまく発音できないことや言い間違えることもあります。正しく覚えてほしいからと間違えを指摘し続けていると、子どもは言葉を話すのが嫌になってしまいます。多少の言い間違えはあまり気にせず、子どもとの会話を楽しむことを優先しましょう。
1歳半、3歳児健診では、言葉の発達のチェックが行われます。垂水市言語相談も定期的に実施しています。言葉が出てくるような声かけや関わり方をお伝えしますので、垂水市役所にお気軽にご相談ください。
・今村総合病院言語聴覚士 若松藍
「コミュニケーションの問題」(失語症、構音障害、高次脳機能障害等)や「飲み込みの問題」(嚥下障害)に対して評価と練習をしています。豊かな生活ができるよう支援します。
問合せ:保健課健康増進・元気プロジェクト係
【電話】内線138
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