令和3年度から、GIGAスクールによる一人一台端末を本格的に活用した教育が始まった垂水市。ここでは、市民の皆様に、GIGAスクールはどういったものなのか解説するとともに、各校の取組を紹介することで、GIGAスクール構想を基にした教育に親しみを持っていただければと思います。
■情報活用能力×家庭学習
垂水市の小・中学校では、タブレット端末を家庭に持ち帰っての学習も工夫されてきています。今回は「家庭学習における情報活用能力の育成」をテーマにしました。情報活用能力は、言語能力、問題発見・解決能力等と同様に、学習の基盤となる資質・能力とされています。学校生活だけでなく家庭学習等、あらゆる場面で情報端末を活用することで情報活用能力の育成が図られます。
◆家庭学習でどのように活用できるの?
・キーボードによる文字入力
・テーマや課題に沿った身の回りのものの撮影
・家庭学習の予定、日記等に関する家庭学習の記録
・検温結果の記録や翌日の持ち物チェック等に関するライフログの記録
・デジタルノートへの学習のまとめ記録
・苦手な内容を補う等、自己調整を目的としたAIドリルの活用
・反転学習や自由進度学習のための予習
◆ポイント
・子供たち自身に「どのようなことがしたいか」を考えさせ、子供に任せたり考えさせたりする
・クラウドを活用することで、家庭学習においても学級のみんなと確認や相談ができるので、学習への意欲を高められる
・適正なルール設定等は、議論を重ねながら合意形成していく
○それぞれのご家庭でも、学校での学習活動に応じてお子さんの取り組みを見届けてください。
■ICTを効果的に活用した国語科授業
10月19日に、令和4・5年度大隅地区研究協力校として、「複式教育(国語科)」の研究公開を行いました。県内各地から30人を超える教育関係者の方々に参加していただき、協和小学校が2年間にわたり取り組んできた、国語科「書くこと」の指導方法およびICTの効果的な活用について、その研究成果の一端を参観していただきました。
5・6年複式学級の国語科の授業を公開し、2学年ともにガイド役の児童が前に立ち、授業のめあてや、考えたことを入力するデジタルノートを操作したり、大型モニターに示したりしながら授業を進めました。5年生は、筆者の主張をまとめること、6年生は、筆者の表現の工夫について考えることが、学習活動の中心でした。どちらの学年も自分の考えを整理したり、互いに説明し合ったり、新しい考えを創り出したりできる「シンキングツール」という機能を活用し、学習をまとめました。
研究協議では、参加者から「子供たちの文字入力の速さに驚いた」や、「『共有ノート』(複数の児童が同時に編集できる)を活用しながら、みんなの考えを上手に集約し、分かりやすくまとめていた。」などの意見が出されました。改めてタブレット端末を継続的に活用していくことで、学習効果を上げられると実感しました。
今後は、この研究で明らかになった成果と課題を整理するとともに、タブレット端末のより効果的な活用法の研究を更に推進していきながら、児童の書く力の向上に努めていきたいと思います。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>