◇垂水市内初の試み サテライトクリニックとは?
同クリニックは、その名が示すとおり、「サテライト型」の医療機関です。「サテライト型」とは、母体病院から離れた場所で外来診療を行うものであり、今回の場合は、「母体病院=今村総合病院」となり、同病院の「産科・婦人科」の専門医等が同クリニックに来て診察にあたります。
◇すべての女性の笑顔と健康を支える
同クリニックは、分娩施設ではないため、産科については、「妊娠の診断」から「34週までの妊婦健診」が行われます。妊婦健診は、分娩予定の医療機関で行うことが多いと思いますが、妊婦さんの体調や予定に併せて、地元で健診を受けることが可能となります。
また婦人科については、思春期から老年期までのすべての女性を対象に、生理痛、貧血、不正出血、帯下の相談、更年期外来、女性の心身の不調に対する漢方治療のほか、車イスやストレッチャーの方も診察可能となっています。また、これまで市民館等で行っている本市の「子宮頸がん検診」を、同クリニックでも受けられるようになります。
◇「地元で診察できる」という選択肢
どこの病院で受診するかは、もちろん個人の自由ですが、今回の取組を通じて、「地元で診察を受けられる」という選択肢を新たに提供できることは、女性の皆様にとって大きな意味があると考えています。引き続き、医療体制確保に努めてまいりますので、市民の皆様のご理解とご協力をお願いします。
■今村総合病院の産科・婦人科の専門医等が慈愛会垂水サテライトクリニックに来て診察にあたります。
※詳しくは本紙をご覧ください。
■クリニック院長
貴島 佳子
・日本産婦人科学会専門医
・今村総合病院産科・婦人科 部長
・慈愛会垂水サテライトクリニック院長
毎日忙しい女性の皆さん、子宮頸がん検診受けていますか?婦人科系の気になる症状を忙しいから、恥ずかしいからと、後回しにしてはいませんか?産婦人科には、子宮頸がん・卵巣腫瘍・クラミジア感染症など、症状の無い、もしくは軽いうちに発見し、早期治療や定期的な検査で進行を防げる病気がたくさんあります。生理痛などは、良く効く薬が開発され我慢しない時代になってきています。自分の健康と人生を守るのは、あなたの行動です。ぜひ本クリニックをご活用ください。
◆DATA
▽市民ニーズ調査結果
産婦人科医療体制確保事業の実施にあたっては、令和5年6月から7月にかけて、垂水市内在住の女性を対象に「市民ニーズ調査」を実施しました。詳細な結果は、垂水市WEBサイトにも掲載しています。
目的:産婦人科の利用状況と必要性の把握
対象者:垂水市在住の20歳~80歳代の女性/5,478人
期間:令和5年6月8日~7月7日
回答数:1,619人
回答率:29.6%
Q1:垂水市内に産科・婦人科の医療機関が開院されたら、受診したいと思いますか。
市民ニーズ調査の結果、「垂水市内に産科・婦人科の医療機関が開院されたら受診したいと思いますか」の問いに対し、「はい」が1,031名・66%、「いいえ」が103名・7%「どちらともいえない・わからない」が433名・28%でした。「いいえ・どちらともいえない・わからない」の理由は、「受診予定がない」が最も多く、次いで「情報不足(どのような医療機関ができるか分からないため判断できない)」でした。その他、開院を期待するご意見もあり、総じて、本市内における「産婦人科医療機関の開設」については、市民ニーズは高いことが分かりました。
▽民営医療機関の開設を選んだ理由
産婦人科医療機関の開設には、「公立医療機関」と「民営医療機関」の2つの方法がありますが、産婦人科医療体制確保事業では、次の3つの理由から「民営=慈愛会による医療機関」での開設を選択いたしました。
1 経営の専門性
「民営医療機関」における経営の専門性やノウハウを最大限に活かすことで、医療体制の安定確保に向けた課題の一つである「収支の黒字化」を図るため、「民営医療機関」での開設を選択しました。
2 迅速な事業実現
「公立医療機関」と「民営医療機関」では、開設までのプロセスが異なるため、開設実現までの時間と費用が大きく異なります。特に「公立医療機関」の場合は、設計委託や工事委託、指定管理に関する仕様や指定管理者の選定、各種条例等の策定等、複数年度の準備期間等が必要となるため、より迅速な事業実現のため、「民営医療機関」での開設を選択しました。
3 産科医確保が困難
全国的に産科医確保が難しいと言われている中、垂水市内に「産婦人科医療機関」を開設できる機会は、非常に稀なケースであるため、本市としては、この機会をしっかりと形にし、市民ニーズに応えるため、「民営医療機関」での開設を選択しました。
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