本町の魚のPRと魚食普及を図る事を目的として、毎月10日(いおの日)を「屋久島の魚を食べる日」として制定しています。魚食普及の取り組みとして、お魚マイスターアドバイザーの川東繭右さんが旬の水産物を紹介します。
屋久島のゴマサバと言えば、ご存じ首折れサバ。年間通して漁獲されますが、脂がのる冬場から春先が旬と言われ、一湊漁港でのみ水揚げされています。10本程度の針が付いた胴つき仕掛けで釣り、いけすに入れるときは素手で触らず、船に張ったワイヤーに釣り針をひっかけて魚を落とします。出荷直前にサバの首を折り、放血させることで刺身で食べられる鮮度を保つことができる、明治時代から続く一湊の漁師伝統の技です。
首折れサバの特徴は、なんといってもその弾力。つるりとした舌触りの後にくる黒潮育ちゆえのモチモチとした歯ごたえには、食べるたびに驚かされます。真っ白な身からは噛むごとに上質な脂が口の中いっぱいに広がります。
一湊名物サバすきにするならば、割り下は醤油とざらめ。隠し味に味噌を少しだけ。具に厚揚げを忘れずに。「コクが出るよ」と漁師の奥さんが教えてくれました。
島外不出の極上の首折れサバを、ぜひご堪能ください。
お魚マイスターアドバイザー 川東繭右
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