■スタッフ屋久島探究!~安房の貯木場~
安房貯木場と小杉谷を結ぶ森林軌道は1923(大正12)年に16kmが完成し、その後全盛期には延長26kmに達しました。この森林軌道の建設は1922(大正11)年春に着手し、当時は土木機械がないため全て人力で、さらに足場が悪い所はロープで体を吊りながら建設を行いました。
木材の運び出し作業は、伐採し丸太の形にする「伐木造材」、人力や機械によりトロッコへの積み込み場所まで集める「集材」、集めた材を安房貯木場まで運ぶ「運材」に分けられます。この「運材」を担うのが森林軌道の役割でした。
森林軌道の起点となる安房貯木場に集められた木材は官船(国が保有している船)で鹿児島営林署の貯木場に運ばれました。当時活躍していた代表的な官船は南嶺丸(なんれいまる)と姉妹船の景山丸(けいざんまる)、そして錦嶺丸(きんれいまる)などです。戦前・戦中は安房川の岸壁で積み込みをしていましたが川の流れと沖から寄せる波で船が安定せず屋久杉の巨木を積み込むには、たいへん危険が伴っていました。戦後、陸地に写真のような「掘り込み船溜り」が完成したことで安全な積み込みが可能になりました。
担当:吉岡
※「吉岡」の「吉」は環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。
参考文献:暖帯林特集号,熊本森林管理局,1994(平成6)年8月発行目で見る種子島・屋久島の100年,郷土出版社,2004(平成16)年10月発行
■屋久島世界自然遺産登録30周年記念 特別展列島縦断!日本の世界自然遺産ものがたり
1月20日(土)~2月29日(木)
クローズアップ展
沖縄島北部・西表島開催中!
問合せ:屋久杉自然館
休館日:第1火曜日
【URL】http://www.yakusugi-museum.com
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