■モジャコ漁
本町の魚のPRと魚食普及を図る事を目的として、毎月10日(いおの日)を「屋久島の魚を食べる日」として制定しています。魚食普及の取り組みとして、お魚マイスターアドバイザーの川東繭右さんが旬の水産物を紹介します。
屋久島の漁業を語る上で欠かないひとつであるモジャコ漁。
春先、流れ藻について黒潮とともに北上してくる様々な小魚をすくいとる漁で、その中からブリの稚魚を選別し、一定期間畜養されたあと、養殖用種苗として出荷される。屋久島では一湊を中心に1980年代後半から始まった。昔は船の計器類がなかったため、大型船の水温分布図の週報を読みときながら、潮目を流れる藻や泡、テレビなどの大型家電、スリッパや醤油瓶についているモジャコをすくった。黄金色に輝くブリの稚魚は、当時両手ひとすくいで3万円、日給40万円という夢のような高値がついたこともあったことから「金きんのさかな」と呼ばれ、「大漁したときは気分が良かったね」と漁師は目を細める。
網に入ったブリ以外の魚は選別ではじかれ、海に返す。そのおこぼれを狙って、島のゴールデンウィークの港はアジンコ釣りで賑わう。島内の鮮魚店にもアジンコや稚ガニが並び、唐揚げや南蛮漬けはこの時期だけのご馳走である。「金のさかな」、ブリの稚魚はとても苦いのでご注意を。
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