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水道コラム最終回~屋久島町の水道財政~

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鹿児島県屋久島町

これまで3回にわたって簡単にではありますが、飲料水ができるまでのプロセス、施設(浄水場)の数、水質管理についてお伝えしてきました。最終回となる今回は、安心・安全・安定した飲料水供給のために必要な維持管理費や施設整備費などの支出と、その財源となる水道料金などの収入といった水道財政、つまりは、水道事業の懐事情についてお伝えします。
本町水道事業は、昭和36年の創設以降、我が町の生活・経済活動に欠かすことのできない最も重要なライフラインとして集中的に整備されてきました。安心・安全・安定した飲料水供給のためには、整備したインフラ施設の維持管理、水質管理に加え、老朽化した施設の更新整備を適切に実施していくことがとても重要です。
施設の建設や改良といったハード整備を実施するには多額の財源が必要となることから、国からの補助金や、企業債と呼ばれる借入金を充てて建設改良事業を実施しています。(※企業債は単なる借金ではなく、将来世代にも費用負担していただくという意味合いもあります。)
施設整備以外の維持管理経費については、基本的に水道料金で賄われています。
下の図は、令和4年度の上水道事業・簡易水道事業を合算した決算を図示したものです。(※特別損失や弁償金などの通常発生しない経費は除いています。)
浄水場などの施設を運営し、皆様のもとへ給水するための費用と、給水に伴って発生する収益による『収益的収支』、施設整備に必要な収入と支出、また、過去の施設整備のために借り入れた企業債の償還金による『資本的収支』で構成されています。

「収益的収支で利益を捻出し、資本的収支の不足する財源に充てる」、言い換えると『投資(施設整備)に要した負債(企業債)を水道料金収益をもって償還していく』という構図が地方公営企業会計の基本です。地方公営企業は独立採算が原則ですから、基本的に料金収入をもって必要な利益を捻出する必要がありますが、熊毛地区内でも群を抜いて安い本町の水道料金体系では、残念ながら経営が成り立たないため、一般会計から多額の補助金(赤字補填)を投入している状況が長く続いています。
本来、教育振興や福祉施策、あるいは産業振興といった事業に投じられるべき財源が、7,000万円~8,000万円の規模で水道事業に充てられており、一般会計を逼迫する大きな要因となっています。
赤字補填の解消が、水道事業の健全で持続可能な経営に寄与し、一般会計における公共福祉サービスの充実に繋がり、よりよい町づくりに繋がることとなります。

問合せ:役場生活環境課上下水道係
【電話】43-5900(内線131・132)

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