水道は、私たちの生活や経済活動において欠かすことのできない最も重要なライフラインですから、安心・安全な飲料水を安定供給するため、維持管理、水質検査、老朽化した水道管や設備、施設の更新・改修を行う必要があります。
本町は、各集落に浄水場をはじめとする水道施設が設置されており、老朽化した施設から順に計画を立てて更新整備を実施しています。
しかし、人口減少などにより料金収入が減少する一方、資材等価格の高騰も相まって、維持管理費や更新整備費は増加し続けており、非常に厳しい経営状況となっています。
前回の料金改定は、令和元年10月1日に実施(基本料金は据え置き、従量料金を一律20円増額)しましたが、現状として、必要な費用を賄う十分な料金収入には達していません。
そのため、足りない収入は一般会計からの補助金に頼っており、その依存度は深刻な状況にあります。
令和5年度水道事業決算(上水道・簡易水道合算)における一般会計からの補助金額:186,858,579円
うち総務省が定める基準額(一般会計が負担すべき額):114,109,670円
上記基準を超える額(赤字補填):72,748,909円
上記のとおり、一般会計において住民福祉サービス(道路などのインフラ整備や防災対策、教育振興、福祉施策、産業振興など)に使われるべき財源(約7千2百万円)が水道事業の赤字補填に充てられています。
地方公営企業である水道事業は、独立採算による経営が原則ですが、それができておらず、不健全な財政状況にあります。
このままでは一般会計へのしわ寄せが増すばかりか、将来にわたって安定的、持続的に水道サービスを維持していくことが困難となることから、下表のとおり水道料金を値上げさせていただくこととなりました。
皆様にはご負担をお願いすることとなりますが、ご理解いただきますようお願いいたします。
■現行の料金表と改定後の料金表(税抜き)
■水道料金改定に関するQ and A
Q.なぜこの時期に値上げが必要なの?
A.
前回改定から5年が経過しますが、一般会計が負担するべきでない赤字補填が増え続けており、このままでは、今後4年間の投資・財政計画上、7千万円~8千万円の赤字補填が必要となり、一般会計を逼迫してしまうためです。
また、いま料金を改定せず据え置いた場合、次の料金改定時の増額幅は今回の比ではないほど大きくなることが見込まれることから、現代世代で適正な料金を負担し、将来世代に負担を先送りしないためです。
Q.収入が足りないのならば税金を充てればよいのではないですか?
A.地方公営企業は、経営に必要な費用を料金収入で賄う独立採算が法律で義務付けられています。一般会計が負担すべきとして総務省が定める基準額を除き、基準を超える金額を一般会計が負担するということは、その分、一般会計で実施すべき事業ができなくなるということですから、このような不健全財政は解消しなければなりません。
Q.改定料金は何月分からですか?
A.令和6年10月1日以降に検針・認定する分からです。期別で言うと10月分からとなります。(※10月分の定期検針は、10月10日前後となります。)
Q.一か月当たりの負担額はどの程度増えますか?
A.下記のとおり、「水道料金の計算方法」と、「世帯ごとの増加額見込例」をシミュレーションしましたので参考にしてください。
Q.農業集落排水の使用料はどうなりますか?
A.
農業集落排水施設使用料は、条例で水道料金と同額と定められていますので、今回の水道料金改定額と同額をご負担いただくこととなります。ご理解いただきますようお願いいたします。
なお、今回の料金改定後の農業集落排水使用料は、一般的なご家庭の合併処理浄化槽の年間維持費と比較して大きな差はないものと見込んでいます。
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