■屋久島先人紀行 島を愛し育み導いた先人を訪ねて
柴昌範 明治24年~昭和53年藍綬褒章・上屋久町名誉町民
かつての屋久島は、別名「薬島」と言われ、薩摩藩によって多様な種の薬草が栽培されていました。中でもガジュツは、「その薬効たるや、中国渡来に勝れり」と重宝されていたそうです。しかし、明治期の近代化により西洋医学が主となると東洋医学は廃れ、ガジュツもまた野生に帰りました。
やがて時は流れ、再びそのガジュツに光を見出したのが柴昌範氏でした。明治24年、楠川に生まれた柴氏は、42年に兵役などで出郷し、30歳の時に屋久島に帰郷します。帰郷した柴氏は、故郷の人々の貧しい暮らしの現状をどうしたら救えるかについて考えました。そして、昔盛んだったガジュツの栽培を復活させ、漢方薬として世に出すことをひらめき、研究を行うこととなります。
このように、柴氏はガジュツを屋久島の特産品として普及に励んだほか、地域開発や社会福祉に尽力したため、その功績と人徳を讃え、旧上屋久町の名誉町民の称号が贈られました。
問合せ:屋久島町歴史民俗資料館
【電話】42-1900
屋久島町宮之浦1593番地(屋久島北分遣所横)
開館時間:9:00~17:00
入館料:大人100円、小中高校生50円(団体割引あり)
町民は入館無料
休館日:月曜日
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