■イラストで残す山樵具(さんしょうぐ)の使い方~第二弾「カイリョウバノコ(改良刃鋸)」~
「カイリョウバノコ」はその名の通り、ササバノコの「歯(刃)を改良した鋸(のこぎり)」です。改良されたのは大正時代で、伐採・玉伐(たまぎ)り(倒した木を一定の長さに切ること)に使われました。ササバノコは山型の細かい歯が均等に並んでいます。そのため木くずが詰まりやすくなっていますが、カイリョウバノコは等間隔に深い溝をあけることで、大量の木くずをはき出しやすく、詰まりにくいように改良されています。溝の手前には縦挽(たてび)き歯がつけられており、木の節があったときに、切りやすくなっています。
カイリョウバノコなどの柄が内に曲がっている鋸は、挽(ひ)いたとき「てこの原理」で歯が食い込みやすいように工夫してあります。大きさは大小様々なものがあり、屋久島では6尺鋸(しゃくのこ)という、全長約180cmのカイリョウバノコも使われていたそうです。屋久島では昭和31年にチェーンソーが導入されるまでこのカイリョウバノコとヨキ(斧)で伐採していました。
▽参考文献
水彩画で綴る大工道具物語ー竹中大工道具館収蔵品ー/朝倉邦造
屋久町民俗文化財調査報告書(1)屋久町の民具/屋久町教育委員会「郷土誌編さん室」
問合せ:屋久杉自然館
町民入館無料
休館日:第1火曜日
【URL】http://www.yakusugi-museum.com
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