~徳之島2週間目~ 徳之島町地域おこし協力隊「りー」 三浦里穂子
~徳之島2年目~ 徳之島町CIR(国際交流員)「クリス」 リナルディ―・クリストファー・ジョン
―お二人ともほぼ初対面で、お話するのは初めてですね。自己紹介の後、自由に語っていただければと思います。
クリス:リナルディ―・クリストファー・ジョンです。みんなからはクリスと呼ばれています。アメリカ出身です。25年間ずっとニューヨークにいましたが、日本が好きになって日本語を勉強して、CIR(国際交流員)として徳之島町に来て2年目です。今は役場総務課に在籍しています。よろしくお願いします。
りー:三浦里穂子です。「りー」って呼んでください。神奈川県から来ました。2年前の大学4年生の時に参加した、徳之島での10日間のファームステイ体験が楽しすぎて、一度は東京で企業に勤めたんですけど、徳之島で暮らしたくて思い切って移住してきました。徳之島町の地域おこし協力隊として、企画課で情報発信の仕事を担当しています。よろしくお願いします。
クリス:徳之島に来て今どのくらいですか?
りー:2週間くらい。(※対談当時)
クリス:本当に来たばっかりですね。実際住んでみてどうですか?
りー:夢を見てるような毎日を送ってます。島を謳歌してるっていうか、のんびりしてるんですよね、本当に。
以前は、朝起きて仕事行って帰って寝るだけ。土日も友達と遊ぶとかだけが楽しみ。それしかなかった。
けど今は、ちょっと朝早く起きて海見てみようかなとか、お家に帰ってもまだ時間があるから自分のやりたいことをやったりとか、ゆっくり過ごす時間が持ててます。そんな暮らしが送れていて楽しいです。
クリス:いいですね。都会の生活との違い、すごく分かります。人工的なものに囲まれてる生活はしんどいけど、ここに住むと元気になる。
りー:こんな世界を知らなかった時期が怖いというか、知らないまま生きてなくて良かったなと思います。
クリスは徳之島2年目で、何か変化がありますか?
クリス:逆に、変わってないことは多分ないと思います。日常生活もだし、精神的な変化もたくさんあったので、まるで別人になったみたいですよ。
りー:「飽きたなー」とはならないですか?都会が恋しいとか?
クリス:そんなことは全然なくて、やりたいことがありすぎて時間もお金も足りない(笑)。徳之島の自然に無限の楽しみを感じていて、今は海でスピアフィッシングがしてみたい。
都会にはショッピングモールや遊園地があるけど、一回体験すると満足して、「しばらくはいいや」って気持ちになる。でも「自然」は違うと思います。空も海も毎日違う。毎週3、4回ぐらいは一人で夕陽を見に行くけど、毎回違って、本当にすごい。いろんなことを体験して、自然に対する見方や考え方が結構変わったと思います。
りー:例えばどんなことですか?
クリス:例えば、冬に徳之島にやってくるクジラの話。ものすごく大きいから、船に乗って近くで見たら普通に怖いんだけど、思い切ってスキンダイビングでクジラと一緒に泳ぎました。ぶつかったら大変だし、鳴き声も海の中で聴いて、すごく響いてやっぱり怖かった(笑)。
りー:(笑)。
クリス:でも、クジラも人間と同じ哺乳類。人との共通点がいろいろあるんだってわかって、クジラが可愛いと思った。動物はもともと人間に悪意を持っていなくて、大自然の中でありのままに生きている。自分と全く違う存在ではない。それに気付いてから自然がもっと好きになりました。
クジラはスケールの大きな話だけど、鳥の鳴き声とか、小さなことにも気が付くようになりました。「あ、○○鳥が鳴いてる!」とか。
りー:すごーい(笑)。
クリス:島の人にも言われました。「自分たちにもわからないのに」って(笑)。虫とか植物、海に入ったら魚にも、色々と気付かされます。あとは、風向きとか自然の営みにも興味を持つようになりました。海に入るようになってからは、「今日は東風だから西側の海に行こう」とか考えるようになって、自然を感じることができるようになった。
りー:クリスは自然に魅せられて徳之島に来たんですか?
クリス:実は自分で徳之島を選んだわけじゃなくて、日本のどこに行くかは派遣会社が決めるので、全くの偶然です。最初、行く場所が決まって通知のメールが来たときに、ローマ字だったんですけど、「TOKUNOSHIMA」が「徳島」だと思って。そのまま文字をコピーして検索したら、闘牛を引いてるおじさんの写真が出てきてびっくりした。え?ここどこなの?って(笑)
でも徳之島に来て、これは奇跡的な偶然だったと思いました。いろいろあったけど、良いことのほうが多かった。
最初の半年ぐらいは、ニューヨークと比べて「何もないな」って思って。でもそのときは、物の見方が違ったから、何もないと思ってたんですね。せっかく日本に来たのに「すき屋」がないとか(笑)。でも、ニューヨークにあって徳之島にないことももちろんあるけど、「徳之島にしかないことがいっぱいある」って気付いたら、すごいところに住んでるんだなって思って。それからはもうほぼ毎日新しい発見で、良いことばっかりです。
りーさんはどうして徳之島に?自然に興味があったとか?
りー:ぜんぜんないんです(笑)。虫も怖いし、泳いでる魚も怖いし、牛とか動物も怖い。フルーツも苦手で、それこそ「何で徳之島に来た?」みたいな感じなんですけど(笑)。
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