昨年来、指宿市が行っている様々な事業を「無駄はないか?」「節約できるところはないか?」という視点で何度も見直しをしてきました。市内の各種団体や実行委員会などへの補助金に対しても同様に理解を求めながら協力をいただいて参りました。しかし、それで「指宿の将来はこれで大丈夫だ」と言えるほど課題は簡単には解決しません。
そこで、身の回りの無駄を点検しながらも、一方では、10年後の市役所の最も望ましい姿を検討してきました。例えば、「今、市役所で1年間に使う予算は、一体、いくらぐらいがいいのですか?」と聞かれるとすぐに答えを出せる人はなかなかいないものです。私も実は、良くわからない。じゃあ、「10年後の市役所はどうなんですか?」と聞かれると、もっと良くわからない。
答えがわからないのに進めてゆくのは、とんでもなく危険で無責任なものです。改革(かいかく)実行にあたって、目標とするべき数字やいつまでに達成できるかを示す計画がとても必要になりました。
◆経営改善(けいえいかいぜん)計画を決定
指宿市では、この9月、今年を改革スタートの年として令和12年度までの8年間の計画を作りあげました。「いつまでに」「何を目標に」進めてゆくのかの〝答え〟を示したのです。まず、全国にある指宿と同じぐらいの人口規模の町を選び、とりわけその中でも、農業や観光で働く人の割合など産業の仕組みが指宿と良く似ている市と色々な部分を比(くら)べてみて、指宿の長所や短所を見つけたり、鹿児島県内の19市の中での比較(ひかく)も加えたりしながら目指(めざ)すべき目標を検討してきました。
その結果、出来あがった方針は、これまで一貫(いっかん)して皆様にも伝えて参りました「収入以内で支出する」「返済する借金以上に新たに借りない」という大原則を守りながら、「負債(ふさい)額(借金)」や「基金(ききん)額(貯金)」また「職員数」などの主(おも)な目標を数字ではっきりと示す事が出来ました。
◆将来に「負担」ではなく「楽しみ」を!
今回の計画では、県内で一番健全な財政の町になんて、大げさな事は考えていません。県内でちょうど平均的な町を目指しています。つまり19市の中で、上からも下からも10番目ぐらいの財政をこの8年で達成しようと決めたのです。残念ながら財政の健全性を示す主な数字は県内で悪い方から3番以内が多く、今は、少しでも早く〝普通の順位〟に戻る事が大切だと考えました。そうする事で将来の市民に残す負担が少しでも減り、かわりに沢山の楽しみを残せるように一丸(いちがん)となって頑張って参ります。途中でどんな変化があるかわかりませんし、大災害の様な想定外の出来事もあるかもしれません。その時々(ときどき)に柔軟に対応しながら必要な修正もしてゆくつもりです。
計画の達成には、市役所の力だけでは及びません。是非とも市民の皆様のこれまで以上のご協力をお願いします。この計画の内容は、来月号でわかり易くお知らせいたしますので、是非読んでいただきます様に併せてお願いします。
◆さあ、いよいよ本番です
市民の皆さん、ふるさと納税応援団長からのお知らせとお願いです。
お陰様で昨年は指宿市にいただいたふるさと納税の寄付額は、前年から16%伸びて約17億2千万円をいただく事が出来ました。この額は南薩4市の中で最下位に甘んじていた指宿がそれを脱する所まで押し上げていただきました。本当にありがとうございました。
ところが、今年は一転、随分(ずいぶん)と苦戦(くせん)を続けております。夏の指宿一番のおすすめのマンゴーが不作であったためか、現在、昨年を下回るペースです。関係スタッフもあの手この手と工夫を重ねながらチャレンジを続けていますが、まだ勢いが足りません。
是非とも市民の方々の親戚や同級生などをはじめ、指宿市以外に住んでいる方なら、遠くても近くても一向に構いません。どうぞ声をかけていただき指宿市へのご協力をすすめてください!!実は、ふるさと納税は、これから年末までの3ヶ月が勝負どころを迎えるのです。この3ヶ月で一年間の6割以上が動きます。
指宿の昨年の結果で見れば、11月と12月だけで17億2千万円のうち10億円以上の寄付をいただいているのです。全国のご協力をいただく皆さんも秋風が吹き始めると、今年はどこに、いくら応援しようかなあとそろそろ考え始めるようです。
さあ、今こそ、私達ふるさと納税応援団が力を発揮する時です。普段には、なかなか電話でゆっくり話せていない方とも、最近の様子を情報交換しながら、指宿の将来の話でもしていただければと願うばかりです。
(指宿市長 打越 あかし)
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