人生の最期はいつやってくるか分かりませんが、いつか必ず誰にでも訪れます。
自分がもし病気になったり亡くなったりした後のことを周りの人に任せることができれば良いですが、必ずしもそうはいきません。
自分が望む理想の最期を迎えるため、自分のためにできることを今から始めてみませんか。
◆こんな『不安』はありませんか?
・身の回りの整理をしたいと思うけど何から手を付けたらいいか分からない
・親が元気じゃなくなったらどうしよう
・独り身の自分に何かあったらどうすれば
・財産・身の回りの物はどう処分しよう
・親が遠くに住んでいるので、話しづらいし、心配をかけたくない
・葬儀やお墓のことはどうしよう
◆終活にはこんな『効果』があります
・漠然とした不安の解消
・相続トラブルの回避
・周りの人の心配や負担が減る
・人生の振り返りになる
◆終活って『どんなこと』をするの?
葬儀・お墓・財産相続について決めておくこと、遺言状を残すこと、身の回りの物を整理することなどがあります。
特に、それらの書き残しておくべき大切な項目がまとめられたエンディングノートは、遺言状と違い法的根拠はないものの、残された人が困らないようにする役割があります。ノートは書店でも手に入り、インターネット上で無料配布されているものもあります。
終活は、人生の最期に向けて考えて準備することで、これからの人生を前向きに、明るくするためのものです。
■エンディングノートを作成してみて
~体験者×地域の社会福祉士のお話~
〔体験者〕松元 弘子(まつもとひろこ)さん(鎮守)
〔社会福祉士・終活協議会心託コンシェルジュ ひかりオフィス代表〕桐田 光仁(きりたみつひと)さん(細田西)
松元さん:父が胃がんで亡くなる前、医師から延命措置をするかどうか尋ねられ、寝たきりでたくさんの管を通されて苦しそうな父の姿を見るつらさ、生かされる父のつらさを感じ、措置はしないように伝えました。本人の意思が分からないまま判断しないといけない苦しい体験がエンディングノートを残そうと思ったきっかけです。私は子どもに何度も「自分は延命措置は要らないからね!」と伝えていますよ。
桐田さん:私は、県社会福祉士会ぱあとなあに所属し、成年後見業務に携わっています。日頃から判断能力の衰えた方々の生活支援をさせていただいていますが、その人の思いが分かれば多様な支援ができるし、エンディングノートのような手がかりがあれば支援に活用できると考えています。ノートを書いた感想はいかがですか?
松元さん:とても良かったです。50歳近くでマラソンを始め、菜の花マラソンは10回くらい参加し、県外でも走りました。この前は国体の炬火(きょか)リレーも走りましたよ。息子と一緒に富士山にも登りました。今までのたくさんの思い出の整理ができましたし、年を取ると忘れっぽくなるので読み返して思い出すこともできます。
桐田さん:お子さんとお話はよくされますか?
松元さん:子どもたちとはLINEでよく連絡を取っています。私が一方的にたくさん送っちゃうのですが。私に何かあった時は協力して助けてくれますよ。
桐田さん:どんな方法であれ、ご家族間で連絡を取り合えることは大切なことです。松元さんが書いたエンディングノートの存在をご家族は知っているのですか?
松元さん:作ったことは伝えてません。遺影にしたいと決めている写真も見せたことがないし、今度ノートと一緒に見せてみようかな。
桐田さん:ご家族のためにも見せた方がいいと思います。人は、亡くなる時のことを考えるのは面倒に感じるものですが、自分の気持ちを示しておくことは残された家族への親切心として、また、自分らしく人生を終えるために何が必要なのかを明確にすること、今をより充実して生きるために整理をすることにもつながるので、ノート作りに取り組むことは大切だと思います。一人で書くも良し、仲間で楽しく書くも良し、まずは書くことにチャレンジしてもらいたいですね。何事にも意欲的な松元さんが、今取り組んでいることは?
松元さん:成年後見制度も勉強しようと思って。ただ、内容が難しくてなかなか理解できません。
桐田さん:制度の内容を全て理解するのは難しいと思いますので、まずは制度があることを知るのが大事だと思います。ご家族がいらっしゃらない方が「さぁ困った」、お金の管理ができなくなって「どうしよう」、認知症になって「大変だ」、そのような時にこの制度があることを知っておけば、市役所や専門家につながることができますし、不安を抱える人への手助けにもなると思います。松元さん、まだまだ頑張ってください。
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