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自治体の皆さまへ

Medical Lecture 健康教室

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鹿児島県 指宿市

■健康な未来のために骨をサポート
▽Doctor 今月のドクター
指宿医師会
長野祐一(ながのゆういち)

加齢に伴い骨の量は誰でも減りますが、特に身長が縮んだり、腰が曲がったり、大腿(だいたい)骨の付け根の部分が折れやすくなった状態が骨粗しょう症です。初期は特有な症状がないため「沈黙の疾病」といわれています。
骨粗しょう症に悩む方は現在、全体で約1280万人、男性300万人、女性980万人です。日本人の自立して生活できる「健康寿命」は女性は75歳、男性は72歳ですが、骨の量は20歳ごろに最大となり、男性は70歳以降、女性は閉経前後の数年間に急速に減少します。したがって、骨量の減少を食い止めることは極めて重要です。
長い人生を生き生きと過ごし、丈夫な骨を保ち、骨粗しょう症にならないためは、骨の形成に重要な栄養素であるカルシウムとビタミンDが必須です。わが国の成人の平均カルシウム摂取量は1日600mgを下回っており、98%の人がビタミンD不足との報道がありました。骨粗しょう症は食事や運動などの生活習慣がその発症に深く関与しています。骨量は誰でも加齢に伴い減少しますから、若いうちに十分なカルシウムとビタミンDを取り、最大骨量を高くしておくことが大切です。

◇早期発見・予防のため、骨量を測定しましょう
特に女性は症状が無くても40歳以上になったら定期的に骨密度を測ることをお勧めします。自分の骨量がどのくらいであるかを知っておくことは骨粗しょう症対策の第一歩です。
お近くの保健所や医療機関に相談し、定期的に測定されることをお勧めします。

◇運動をしましょう
運動が刺激となって骨にカルシウムが蓄積されます。骨の健康のために「歩く」ことから始めましょう。

◇日光に当たりましょう
紫外線によって体内のビタミンDが活性化しカルシウムの吸収が高まります。1日15分程度は日光に当たりましょう。

◇転倒・骨折を防ぎましょう
高齢者の主な介護の原因の一つが「転倒・骨折」です。骨粗しょう症の高齢者は、ちょっとしたことで骨折し、特に大腿骨近位骨折(足の付け根の骨折)を起こすと寝たきりや介護の原因となることから、骨量の維持とともに転倒の防止が重要です。

骨粗しょう症の治療は、お近くの医療機関に気軽に相談してください。また骨と歯は密接に関連しており、80歳になっても20本以上の自分の歯を保とう!なんでもよく噛める快適な状態に保とう!という8020運動を日本歯科医師会が提唱しています。骨の健康には食事が基本です。定期的に歯の検診を受け、口腔(こうくう)内を清潔に保つことも大事です。

問合せ:指宿医師会
【電話】34-2820

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