文字サイズ
自治体の皆さまへ

Medical Lecture 健康教室~健康寿命~

17/30

鹿児島県 指宿市

「健康寿命」という言葉をご存知ですか?
「寿命」はよく耳にする言葉で、生まれてから死ぬまでの時間、命がある時間の長さのことです。それに対して健康寿命とは健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間の平均値です。世界保健機関(WHO)が2000年に提唱した指標で、病気などで介護や支援を必要としている期間は含まれません。つまり健康寿命と平均寿命との差は、日常生活に制限のある「健康ではない期間」を意味します。
WHOが発表した世界保健統計2023年版によると日本人の平均寿命は男性81.5歳、女性86.9歳、健康寿命は男性72.6歳、女性75.5歳と共に世界第1位でしたが、平均寿命と健康寿命の差では第33位と、長生きかつ健康な期間も長いとは言えない状況です。
平均寿命と健康寿命の差は約8〜12年あります。平均寿命が延びるにつれてこの差が拡大する可能性があります。平均寿命と健康寿命の差が大きくなると、介護が必要な期間が長くなり、個人の生活の質が低下すると共に医療費や介護給付費などの社会保障負担も大きくなります。
この差をなるべく縮めるためには次のようなポイントがあります。
(1)喫煙や過度な飲酒を控える
(2)年齢に応じた量をバランスよく食べる
(3)活発な身体活動を行う
(4)睡眠時間をしっかり確保する
(5)孤独にならず社会関係を保つ
(6)定期的に健康診断を受ける
特に運動は身体機能の維持・精神面の安定・病気予防につながるため重要です。運動の到達目標としては中等度の有酸素運動(軽く息のはずむ程度)を20~60分、週に3~5回以上行うことが勧められています。また、自宅でも簡単に活動量を増やすことができます。ソファなどに座ったまま長時間過ごしたりせず、立ち上がって足踏みをするなど、30分ごとに3分程度、少なくとも1時間に5分程度は立ち上がって体を動かすようにしましょう。平均寿命が延びている日本ですが、元気な高齢者が多いという訳ではないのです。もちろん長生きすることはとてもいいことですが、病気になりベッドの上で長生きするのと健康で長生きするのとでは生き方がまったく変わってきます。ただ長生きするのではなく健康で長生きする。つまり「健康寿命を延ばす」という意識が非常に大切です。

今月のドクター:指宿医師会 藤井 千代美(ふじいちよみ)

問合せ:指宿医師会
【電話】34-2820

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU