~レトロ(懐(なつか)しく)でトロピカル(南国的)な指宿を~
指宿市長 打越 あかし
■今の指宿観光は?
今月は、指宿の大黒柱のひとつである「観光産業」の「観光消費額(売り上げ)」について考えてゆきたいと思います。
令和5年1月から9月までの状況で、指宿に訪れた観光客(総入込客数(そういりこみきゃくすう))は、コロナ以前の令和元年と比較(ひかく)して91%(令和元:292万人、令和5:267万人)にまで回復してきました。しかし、外国人観光客(外国人宿泊者)は、まだまだ回復しきらず、26%(令和元:5万3千人、令和5:1万4千人)の回復にとどまっています。ちなみに、全国と較(くら)べてみますと、外国人旅行者数は74%となっているようです。外国人旅行者回復は、指宿では今一歩の様です。
具体的に見てみますと、県内客も多いそうめん流しでは、令和元年度は、19万6千人の方が利用され、2億5千万円の売り上げだったのに対し、今年度は、10か月間(令和6年1月末)で16万4千人、2億4千万円と、このまま推移(すいい)すればほぼ回復をし、売り上げはコロナ前を上回るところまで来ています。ただ外国人に関して言えば、4千6百人余りと、ピーク時の30%程度であり、まだまだこれからの伸びしろは大いにありそうです。
一方で、県外客が比較的多い砂むし会館「砂楽(さらく)」では、令和元年度24万5千人、売り上げ2億8千万円に対し、今年度は、1月分までで16万人余り、売り上げ1億9千万円という状況です。まだまだ完全な回復ではありません。外国人は、ピーク時の45%まで回復してきていて、なかなか健闘(けんとう)している状況がうかがえます。
※数字は概算で表しています。
■具体的な目標を決める!
今、指宿では「稼(かせ)げる町いぶすき」を目指しています。この分野では、昨年3月に「指宿市観光ビジョン」を策定(さくてい)をし、その目標の達成に向けて様々な活動に取り組んでいます。
その一番の目標は、コロナ前の令和元年にまで一刻(いっこく)も早く回復し、その頃の売り上げ額380億円の20%増の売り上げまで伸ばす事です。
分かりやすく言えば、令和9年12月末までに、令和元年より76億円分、消費額を増やそうという事です。この目標を達成する方法として、この1月26日には「レトロピカル指宿」というキャッチコピーを発表し、併(あわ)せてロゴマークも作りました。
具体的にやるべき事を、現場で頑張(がんば)っている観光に携(たずさ)わる皆さんと市役所の若手で一緒(いっしょ)に専門部会を作り、そこで提案(ていあん)された事を検証(けんしょう)しながら効果(こうか)の高いものや急ぐべき事から計画づくりをしていただいています。
また、事業を最終的に吟味(ぎんみ)し、決定してゆく場所として昨年4月には「指宿市観光・経済戦略会議」を発足(ほっそく)しました。この会議は、観光消費額を伸ばし、経済や雇用(こよう)を活発にしてゆく事を目標にしている団体の代表者で構成(こうせい)されています。もちろん、農業や商工業に関わる方々も一緒にワンチームで「稼げる町いぶすき」を作り上げてゆけるよう加わっていただいています。
今後は、分野ごとに、あるいは事業所ごとに数値目標を設定し、その目標を達成するために、具体的に何をするのか、明確(めいかく)にしてゆく事が必要です。
令和元年の売り上げ380億円+76億円の増加分=456億円の達成ができれば、きっと指宿の経済状況は今より良くなり、市民一人ひとりへの波及(はきゅう)効果や〝豊かさ〟の実感も得られると思います。まさに、そのためには、市民の一人ひとりがその目標を共有していただき、できるかぎりのご協力をいただきたいのです。
「稼げる町」の最終目標は、指宿で多くのお金が使われる事により、町の中で「金回り」が今より明らかに良くなり、働く場所も増えて、一人ひとりの市民の生活が今より豊かになる事です。
「稼げない町」は、これからの地域間の競争(きょうそう)に勝ち抜く事はできません。そうなると「ヒト」も集まってきません。「稼げる町」、「住みたい町」を何としても実現して、将来がますます楽しみな指宿を一緒に作ってまいりましょう!
次のページで観光課からもう少し詳(くわ)しくご紹介しておりますので、ぜひ読んでくださいね。
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