木々が色づき、葉を落とす季節。いかがお過ごしでしょうか。今月も広報ひおきをご覧いただきありがとうございます。イベントの秋に突入し、さまざまな現場に取材に行かせていただいています。
美山クラフトウィークを取材した時の話です。ろくろ体験を目的に、市外から来た親子に何を作るか尋ねたところ、小学6年生の男の子は元気よく「骨壺!」と答えました。ろくろ体験の講師も私もギョッとし戸惑いましたが、男の子の目を見ると真剣そのもの。詳しく聞くと、まだまだ元気なおばあちゃんから頼まれたとのことでした。その後、体験を終え、希望の作品を作れたその親子は「大満足です!」と満面の笑みで感想を述べました。
制作の過程で講師の方が話した「実は初めて骨壺を作ります。以前、自分の親のために作ろうとしましたが、いろいろな思いが重なり手を進めることができなかった」という言葉が私の心に残っています。作品一つ一つと真剣に向き合い、使う人への思いを込めて制作しているからこそ発せられる言葉だと感じました。今年も多くのお客さまが美山を訪れました。これは、技術とものづくりへの真剣な思いを四百年重ねてきたこの町の魅力に惹かれたからではないでしょうか。この期間中多くの職人の皆さんとお話させていただきました。また、この町が好きになりそうです。
(ハ)
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