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第47回 キジカケル突撃レポート ~MADE IN SATSUMASENDAIのワイン編~

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鹿児島県 薩摩川内市

鹿児島でお酒と言えば焼酎のイメージが強いかもしれませんが、実は本市にワイナリーがあるのをご存じですか。
今回は本市産にこだわってワイン作りを行っている朝陽ワイナリーに潜入しました。製造者の思いやこだわり、ワインの魅力をたっぷりご紹介します。

朝陽ワイナリーで、ワインの製造に携わる今村勝彦(いまむらかつひこ)さんと、椎木稔幸(しいのきとしゆき)さんにお話を聞くことができました。

■本市でワイナリーを始めようと思ったきっかけは?
「かねてより、障がい者が活躍できる場を考えており、調べてみると『ワイナリーの農福連携(農業と福祉の連携)』に取り組んでいるところがあると知りました。
その取り組みに共感し、県内でそのような場所を探してみたところ、本市で『閉校跡地利活用制度』を実施しており、県内でも有数のブドウの産地であることを知りました」
そこで、朝陽小学校跡地を利活用したワイナリーを作ることに決め、障がい者の就労継続支援を行う事業所に委託し、障がい者が活躍できるワイナリーとして「朝陽ワイナリー」を創設したそうです。

■本市初のワイナリー
朝陽ワイナリーは令和5年6月に旧朝陽小学校(入来町浦之名)にオープンした本市初のワイナリー。
正面玄関を入ると、靴箱や黒板など小学校の名残を感じることができます。

■朝陽ワイナリーの特徴
「朝陽ワイナリーでは、ブドウの生産からワインの製造まで一貫して行っています。他のワイナリーは、栽培で使用するブドウは外国産(特にフランス)の品種を使用することが多いのですが、朝陽ワイナリーでは地元で栽培したブドウを使ったワインの製造に取り組んでいます」

※就労継続支援A型事業所とは、一般企業に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が可能である者に対して、雇用契約の締結などによる就労の機会の提供および生産活動の機会の提供を行う事業所のことです。

■本市産のブドウ
朝陽ワイナリーでは樋脇地域と祁答院地域の2カ所でブドウを栽培しています。それぞれの場所で安定して栽培・収穫ができるように試行錯誤をしながら作っています。

○樋脇地域
すでにたくさんのブドウが実を付けていて、これから紫色に色付くそうです。また収穫に向けて、全てのブドウに害虫防止の袋をかぶせていました。

○祁答院地域
以前、ブドウが作られていた休耕地を借りて、再びブドウ園として活用しています。しばらく時間が経っていましたが、農福連携により整備を進めています。今はまだ30センチ程度ですが、2~3年後には収穫できる大きさまで成長するそうです。

■1本のワインを製造するのにどれくらいの時間が掛かる?
「最短で2カ月で作ることができますが、さらにオーク樽で1年、2年と熟成させることで、オークの香りが付き、より熟成した味わいになります」
※オーク樽とは、ワインを熟成させるために入れておくオーク材製の樽のことです。

■ワイン作りで大変なことは?
「生食用のブドウは完熟する前に収穫することが多いですが、ワインには完熟したブドウを収穫したその日のうちに処理する必要があります。その日の収穫量とワイナリーで作れる量のバランスを取らないといけません。収穫したブドウが傷まないように、工場でバランスを取ることが難しいです」

■やりがいは?
ワインは製造過程がシンプルだからこそ、ブドウの味がワインの味に直結し、奥が深く、どれくらい熟成させるかで、味も変化していくそうです。「製造過程で試行錯誤を繰り返し、成功や失敗を経験する中で、自分が思い描いている味になったときにやりがいを感じます。また、失敗した時でも、次の策を考えて、それが成功すると達成感を感じます」

■どんな人に、どんな時に飲んでほしい?
「みんながワインを飲みたいと思った時に飲むのが1番だと思います。地元を離れた人にも、このワインを手に取って、地元を感じてもらいたい。そこからまた本市の魅力を発信してほしいです」

■地域の方への思い
「地域には朝陽小学校の卒業生もいらっしゃいます。朝陽ワイナリーとして、新たに生まれ変わった母校で生まれた味を、ぜひ卒業生に飲んでもらいたい。また、本市のフルーツ生産者がお酒を作りたいときに相談できる『駆け込み寺』のような存在になりたい」と話してくれました。

■地元産ワインを楽しみに
今回の取材で、本市産のブドウを使うことで、「ここ」でしかできないワインを作りたいと試行錯誤していることを知りました。
また、入来地域を拠点に本市を盛り上げ、知名度を上げていきたいという思いも知ることができました。
本市産のブドウを使用したワインが完成するのは、早くて今年の年末ごろを予定しているとのこと。このワインが完成したら、市内での販売を考えているそうです。
地域から作られ、地域の方々の思いに寄り添ったワインを飲めるのを楽しみに待ちたいですね。

◆ワインの製造過程をご紹介(赤ワインの場合)
ブドウを収穫。
→収穫したブドウを房と軸に分ける。
→ブドウの房だけを入れて、最初の発酵をさせます。
→発酵後、房に含まれるアルコールを含む果汁を搾る。
→果実と皮・種の果汁に酵母を入れる。
→タンクで発酵・熟成させる。

皆さんが知りたいことや紹介したいことなどがありましたら、情報をお寄せください。

問合先:本庁秘書広報課企画総務・広聴広報G
【電話】内線4122

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