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深発見 さつませんだい歴史文化遺産

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鹿児島県 薩摩川内市

薩摩川内には長い歴史の中で起きた物語、育まれた文化が数多くあります。
このコーナーでは、数ある薩摩川内の歴史・文化の中から、とっておきのトピックスをご紹介します。

■第拾陸(じゅうろく)回 天辰寺前古墳(あまたつてらまえこふん)
Amatatsu teramae ancient burial mound
全国各地に分布する古墳。今回は文字のない時代の様子を語ってくれる貴重な文化財をご紹介します。

◇意外と身近にある古墳
「古墳」というと、皆さんはどのようなものを連想しますか。
やはり、真っ先に連想するのは、ユネスコ世界文化遺産にも登録されている「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」の中の代表ともいえる「仁徳天皇陵古墳(にんとくてんのうりょうこふん)」でしょうか。最大長が840メートル、最大幅は654メートルの世界最大級のお墓です。
古墳は全国にさまざまな規模や形態のものが広く分布し、その数、15万9953基もあります(令和3年度)。同じ年のコンビニエンスストアの数が、約5万7000軒ですので、古墳の数はコンビニエンスストアの約3倍あり、実は意外と身近な存在といえるかもしれません。
ちなみに、鹿児島県内では515基の古墳が確認されていて、全国では37番目です。

◇薩摩川内市の古墳
では、本市にはいくつ古墳があるでしょうか。
本市での古墳の調査は、古くは明治12年(1879)に五代町の若宮(わかみや)古墳調査の記録があり、大正から昭和初期にかけて盛んに行われ、現在も調査が続いています。
未調査も含めて、古墳時代の墓と推察されるのは13基あります。これらは川内川流域の北側に多く分布しており、墳丘(ふんきゅう)の規模や石室の作りはそれぞれ特徴があり、多様性に富んでいます。
今回は、その中でも15年前に発見された「天辰寺前古墳」をご紹介します。

◇未知の古墳の発見
天辰寺前古墳は、平成20年6月、工事中に発見され、その存在は知られていませんでした。
川内川流域の南側に古墳があることは珍しく、盗掘もなく、ほぼ埋葬時の状態を確認することができました。

◇発掘調査で分かったこと
発掘調査を進めていくと、石室内から、貝製腕輪(かいせいうでわ)を装着した女性の人骨と、副葬品の銅鏡(どうきょう)と鉄製刀子(てっせいとうす)が発見されました。
今から約1500年以上前の古墳で、発見された骨片や歯から、埋葬された人物は40歳くらいの女性であることが分かりました。この地域の有力者だったかもしれません。
現在は古墳公園として整備され、毎年11月3日に1日限定の石室公開イベントを行っています。見学会に参加し、古代の薩摩川内の風景を想像してみてください。

文責・問合せ:社会教育課文化財G(中央公民館内)
【電話】22-7251

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