越地成美(こえちなるみ)さん
1月4日、薩摩川内市誕生20周年記念ロゴマークが刻まれた懸垂幕を市民広場でお披露目しました。
そこで今回は、全国の応募の中から選ばれたロゴマークをデザインした、本市出身のデザイナーの思いに寄り添います。
■デザイナーとして
もともと絵を描くことが好きだったという越地成美さん。専門学校を卒業し、デザイナーとして印刷会社で勤務した経験もあるそうです。
「デザインをするにあたって、出来上がりを自分で見るのも一つの楽しみで、納得いくものが完成するまでの時間は大変だけど、デザインすることが大好きなので、そんなに苦ではない」と話します。
好きなことに関しては妥協したくないという越地さんは、「お客さんの期待に応えることを第一に、その期待をさらに超えるような、良い意味で裏切ることができるようなものを作りたい」と自身のデザインに向き合う姿勢について教えてくれました。
■20周年を一緒にお祝い
本市が誕生して今年で20周年を迎えるにあたり、募集した記念のロゴマーク。
川内大綱引の綱をあしらった数字の20に、「次世代へつなぐ」という思いを込めてデザインしたという越地さん。ロゴマークの中には、大好きな臥龍梅(がりゅうばい)や特産品のキビナゴ、藺牟田池のベッコウトンボなどを盛り込んだといいます。
「ロゴマークの公募を知り、市誕生20周年を一緒にお祝いしたいと思った。また、さまざまな場面で女性が活躍している姿を見て、自分も何か頑張ってみたい」と感じたそうです。それでもやりたい気持ちもありながら、応募するか迷っていた中で、やはり後悔したくないと思い、応募したロゴマーク。なんと、1週間で仕上げたそうです。
「デザイナーでそれぞれやり方は異なるが、自分の場合、思いついたキーワードやアイデアをメモ帳に書き留めることから始める。その後イラスト化して、パズルのように自分で作った素材を加えたり引いたりしながら、完成に近づけていく」と越地さん流のデザイン方法を教えてもらいました。
■我が子の存在
そんな越地さんは、「子どもを早く寝かしつけて、夜な夜なデザインに没頭した。夫の客観的なアドバイスで、色味やレイアウトなど自分では気付くことができない発見ができた」と言います。
最初は全く違うデザインだったそうですが、「作業をのぞきに来る我が子を見て、ふと思ったのが、『次世代へつなぐ』という思いをロゴマークを通して伝えたいということだった」と言います。最初に比べ、色合いも温かいものになり、全体的に優しい雰囲気の仕上がりになったそうです。
「デザインしたロゴマークが採用された知らせを聞いた時は、純粋にうれしかった。周りからの反響もあって、とても良い経験になった」と喜びの声も聞かせてくれました。
■生まれ育った薩摩川内
「子どもが産まれてから、これまで以上に過ごしやすいまちだとより感じるようになった。子育てを含め、さまざまなサポートが充実していると感じる。20周年を迎える生まれ育った薩摩川内市を少しでも盛り上げることができて良かった」と郷土愛をにじませながら話してくれた越地さんでした。
「人のとなりに」とは…
文字通り、その人の隣にいて、思いに寄り添うことや人柄を表す言葉「人となり」をイメージしたコーナーで、人物や活動の紹介だけでなく、その人の思いにスポットを当てることを目的としています。
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