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人のとなりに

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鹿児島県 薩摩川内市

井上則之(いのうえのりゆき)さん

私たちのまちを豊かに彩る川内川。そんな川内川の水面を切って静かに進むボート。
今回は、本市ローイング協会会長として漕艇の普及活動や、指導など行っている井上さんの漕艇への思いに寄り添います。

■漕艇との出会い
「試合の時は、部員全員で宿泊することができる」という、高校の部活動紹介を聞いて漕艇を始めた井上さん。和気あいあいとした雰囲気に引かれ、漕艇部に入部したそうです。
「高校2年生の時に、鹿児島でインターハイが開催されることになりました。漕艇部に30人入部したと聞きつけた当時の県ボート協会は、部活の強化を図りましたが、練習がきつく、最終的に残った部員は5人でした」と言います。
そんな中、主将となった井上さんは、「学校が終わったら、すぐ川内川でボートを漕いでいた」と笑顔で話してくれました。
井上さんが思う漕艇の魅力は、仲間と息を合わせながら、全力で船を漕ぐ姿だそうです。「きつい場面が来た時に、前後で必死になって漕いでいる仲間の姿が見えるから、自然と頑張ろうという気持ちが湧いてくる」と言います。

■地元でもう一度
京都の大学を卒業後、地元に帰ってくると、当時の高校生がボートを漕いでいるのを見たことをきっかけに、再び漕艇を始めたそうです。石川県で開催された国民体育大会にも出場し、その後、他の漕艇部のOB・OGから現在のローイング協会を作ろうと機運が高まり、市民の方にボートを身近に感じてほしいという思いで、本市ローイング協会の発足に関わったことも教えてくれました。

■競技者の安全を守るために
漕艇は、川へ転覆することもある競技です。井上さんは、ローイング協会会長として、会員と協力し、川で活動する方々の安全を守るため、転覆した時にすぐ艇を出して助けにいけるように見守り活動をしています。また、陸と艇を通信機器でつないで広く監視できるように安全に配慮した取り組みをしています。
さらに、市内の高校の漕艇部のコーチとしても活動する井上さん。コーチを始めたのは、漕艇の審判として九州大会に行ったことがきっかけだったそうです。井上さんが各県の審判やコーチと親しく話している姿を見た高校生たちに、「僕たちを強くしてください」と頼まれ、コーチをすることになったといいます。
「指導していく中で、あいさつがしっかりできるようになったり、仲間と協力している姿を見たりするときなどに、やりがいを感じる。出会った方々に助けられて活動できており、感謝の気持ちでいっぱい」と笑顔で話します。

■漕艇をもっと身近に
漕艇はまだまだ知名度が低い競技ですが、本市には、令和2年に川内川交流センターができ、とても優れた練習環境が整備されています。週末には、漕艇の練習をしに多くの人が集まるそうです。
「今年9月に、本市で開催される全国市町村交流レガッタは、市民の皆さんに、もっと漕艇の事を知ってもらえる良い機会。本市のローイング協会会長として、漕艇を身近に感じてもらえるように頑張っていきたいです」とこれからの活動への思いを話してくれました。

「人のとなりに」とは…
文字通り、その人の隣にいて、思いに寄り添うことや人柄を表す言葉「人となり」をイメージしたコーナーで、人物や活動の紹介だけでなく、その人の思いにスポットを当てることを目的としています。

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