福永智子(ふくながともこ)さん
妊娠から出産、子育ては人生における一大イベント。初めての経験に戸惑うことが多くあります。
今回はそんな妊産婦のためにマタニティヨーガ教室を開催し、体と心をケアしているインストラクターの思いに寄り添います。
■インストラクターとの出会い
「夫の仕事の関係で与論町に引っ越した時、運動指導をされている方に出会ったことがインストラクターになるきっかけだった」と語るのは、本市でインストラクター、パーソナルトレーナーとして各種教室を開いている福永智子さん。
福永さんは、出会った方の「子育ては忙しさから孤独や疎外を感じやすい。また、運動の時間が取りにくいため、心身ともに弱ってしまう。妊産婦が運動に参加できる環境を作りたい」という熱い思いに影響を受けたそうです。当時の福永さんは3人の子どもを育てながら、各地を転々としており、忙しさや孤独を感じていたとのことです。
その後、福永さんはインストラクターの資格の取得や人体に関するさまざまな学びを深め、15年前からマタニティヨーガのレッスンを始めたといいます。本市では産前産後ヨーガを担当しています。
■ヨーガは自分との対話
妊婦は、出産という未知の体験への不安や日々の身体の変化に緊張し、出産後の子育てへの不安も大きいそうです。「ヨーガをすることは自分と対話することであり、運動不足による不調の改善に加え、リラックス効果もあり、自身の変化を受け止める強さを持てるようになる」と言います。
さらに、マタニティヨーガのグループレッスンでは、「同じ境遇の仲間がいることで安心感が得られ、心が和らぐことが何よりの効果だと感じている」と語ってくれました。地元の人に限らず、引っ越してきたばかりの方なども参加して交流の場にもなっているそうです。
■気を付けてほしいこと
「最近は、動画を見ながらヨーガをする方もいるが、負荷の大きい動きもあって危険なことがある。マタニティヨーガで気を付けることは、その時の体調。市の産前産後ヨーガでは何が起こるか分からないということを前提に、助産師や保健師が付いて体調チェックをしているので安心して受講できる」と教えてくれました。
■ヨーガの魅力を皆さんに
妊産婦だけでなく、さまざまな方に向けてヨーガ教室を行っている福永さん。「これからも老若男女問わず、体と心の両面からヨーガの魅力を伝えていきたい。心身の健康は気になるが、どんな運動をしたらいいのか分からないという方が多い。私はその気持ちに寄り添いたい」と言います。
「周りの人にたくさん助けられてきたので、恩返しの気持ちで取り組んでいる。ヨーガの後に皆さんが笑顔で帰っていくときが一番うれしい」と言う福永さん。マタニティヨーガの参加者は増えているが、まだ悩んでいる方は多いと感じているそう。「一人で抱え込まず気軽に参加してほしい」と熱い思いを語ってくれました。
※マタニティヨーガは、「母子手帳アプリ母子モ」のオンライン予約または電話でお申し込みできます。詳しくは、ホームページをご確認ください。
「人のとなりに」とは…
文字通り、その人の隣にいて、思いに寄り添うことや人柄を表す言葉「人となり」をイメージしたコーナーで、人物や活動の紹介だけでなく、その人の思いにスポットを当てることを目的としています。
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