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人のとなりに

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鹿児島県 薩摩川内市

染川康信(そめかわやすのぶ)さん

標高247mに位置し、敷地内には「運動広場」「フラワーガーデン」などがある寺山いこいの広場。その中の1つに1周約1・3kmの「ゴーカート場」があります。
そこで今回は「みんなの思い出づくりの場」を守るオーナーの思いに寄り添います。

■人との触れ合い
寺山いこいの広場にあるゴーカート場で、コースの清掃、カートの点検、メンテナンスなどを行っている染川さん。以前は、鹿児島市の職員で農業技術員として働き、農家や住民と直接やりとりをすることが多かったそうです。
「管理職になると、住民と接することが少なくなり、物足りなさを感じていた。ちょうど先代のゴーカートのオーナーが新しいオーナーを探していると耳にした。実際に訪れると、利用者が『ありがとう』『楽しかった』と笑顔で帰っていく姿を見て、自分に適任の仕事だと思いチャレンジした」と話します。
もともと車やバイクが好きだったことに加えて、お客さまと直接触れ合えることが一番の決め手だったそうです。

■利用者が楽しめるように
ある日、一人でゴーカートに乗った女の子が、コースの途中で、カートを置いたまま泣いて帰ってきたそうです。原因は突然出てきたアナグマが怖かったからでした。「寺山いこいの広場は山にあるので、野生動物がコースを通ることがある。それにびっくりすることには気が付かなかった。怖い思いをさせてしまった」と感じたそうです。これをきっかけに、アナグマなどの動物が出てくることがあること、もし出てきても怖がらなくて良いことを事前に説明するようにしたといいます。
「そうすることで、子どもたちは、逆に動物が出てくることを楽しみにするようになった。他にも、コース中の木に顔を作ったり、動物のパネルを設置したりしている。ただ運転するだけでなく、親子3世代でみんなが楽しめる『ここのゴーカートが楽しい』と思ってもらえるような工夫をしている」と話します。
ゴーカートのオーナーとして働く中で、利用者の笑顔だけでなく、自分で工夫ができることにもやりがいを感じているそうです。
また、「大雨や台風の後はコースの清掃がいつもより大変。特に台風の後は、落ち葉や枝がたくさん落ちているので、事故が起きないように数時間かけて丁寧に清掃している。その他にも、見える範囲に監視カメラを設置している」と利用者が安心して利用できる環境づくりに取り組んでいることも教えてくれました。

■これまでの思い出をこの先も
利用者の中には、子どもの頃以来、久しぶりに来たという若者や親子もいるといいます。「ここは、たくさんの人の思い出の場所。それを絶やす訳にはいかない。みんなが笑顔でいられるこの場所をこれからも守り、地域でのつながりを広げて、薩摩川内市ならではのアトラクションにしたい。四季を感じながら1年中楽しめるので、思い出作りに活用してほしい」とこれからの夢と利用者への思いを話してくれました。

「人のとなりに」とは…
文字通り、その人の隣にいて、思いに寄り添うことや人柄を表す言葉「人となり」をイメージしたコーナーで、人物や活動の紹介だけでなく、その人の思いにスポットを当てることを目的としています。

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