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人のとなりに

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鹿児島県 薩摩川内市

小林香織(こばやしかおり)さん
患者さんのケアや診療の補助などさまざまな分野で人々に寄り添い、私たちの健康を守る看護師。
今回は、済生会川内病院に勤務しながら、もしもの時に備え、原子力災害医療の普及に励む看護師の思いに寄り添います。

■災害医療に従事
「母が保育士だったため、自分も目指そうと思ったが、看護師の資格で看護師としても保育園で働くことができると知り、資格を取ったことが看護師になるきっかけ」と話すのは済生会川内病院に勤務する小林さん。
済生会川内病院は、原子力災害時に被災地域の原子力災害医療の中心となって機能する「災害医療拠点および被ばく医療機関」に指定されています。
小林さんは、被災地で適切な医療・看護提供を行う災害支援ナースや大規模な災害や事故の発生時に、被災地に迅速に駆け付け、救急医療を行うための専門的な訓練を受けた災害派遣医療チーム(DMAT(ディーマット))の資格を持っています。

■人生の転機
DMATの資格を取るきっかけとなったのは、平成23年3月11日に起きた東日本大震災。
「同じ日本でこのような災害に遭っている人たちがいるということに何とも言えない気持ちになった。それと同時に、何もできず何事もなく過ごしている自分に複雑な感情があった」と言います。さらに小林さんは、「もしもの時に分からないことがあることが怖い。いざとなった時に動揺せずに行動し、一人でも多くの人の命を救えるように学びたいと思った」と話します。
そこで、勤務先の病院の許可を得て、長崎大学大学院に入学し、災害・被ばく医療科学を専攻しました。「大学院での2年間は仕事と家庭の両立で大変だったが、周りの協力があったから乗り越えることができた」と笑顔で話してくれました。

■災害現場での活動を通じて
令和6年1月に発生した能登半島地震で、小林さんは石川県輪島市の病院支援に派遣されました。厳しい環境の中、看護師たちが疲弊しながら働く姿を見て、被災者でもあり、支援者でもあると感じたそうです。
小林さんは、「日々の生活の中で地域の人を気に掛けてほしい。災害時に一番大切なのは、地域の人とのつながり。手を取り合うことで人的被害は大幅に削減できる。何かあってからでは遅いので、ハザードマップや原子力防災アプリを使って自分の地域の災害被害予想や避難経路を確認していてほしい」と言います。

■原子力災害医療の普及
「仕事に励みながら、愛犬2匹と過ごし、子どもたちの夢を応援したい」と穏やかな日常を望む小林さん。
普段は病院勤務以外に、看護師や看護学生に向けて講義を行っています。「学んだことを一人でも多くの人に伝え、災害時に医療従事者の不安を軽減し、支援していきたい」と原子力災害医療の普及に対する思いを話してくれました。

「人のとなりに」とは…
文字通り、その人の隣にいて、思いに寄り添うことや人柄を表す言葉「人となり」をイメージしたコーナーで、人物や活動の紹介だけでなく、その人の思いにスポットを当てることを目的としています。

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