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市長独言 No.79 岳之腰「切り崩し」考

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鹿児島県西之表市

馬毛島に生息する猛禽類ミサゴの巣立ちが今年も確認されました。春から夏にかけて島の西海岸4個所でつがいの繁殖行動が確認され、うち1個所で2羽が巣立ったそうです。
昨年は2個所で4羽の巣立ちが確認されていました。見方を変えれば、営巣のあった4個所のうち3個所では巣立ちが確認されませんでした。
防衛省と市の「第13回協議の場」は10月、馬毛島の工事の進展による種子島島民への影響と対策が主な議題でした。工事関係者の増加は当初見込みより少なく、横ばいと説明される中で、マゲシカの頭数推定にはなお時間がかかるとのことや、ミサゴの近況が示されました。
岳之腰は海抜71メートル。なだらかな地形をした馬毛島の最高地です。上昇気流が発生することから、ミサゴやトビなど留鳥や渡り鳥たちが、ここから大空高く舞い上がります。防衛省公表の環境影響評価(アセスメント)準備書には、ミサゴが岳之腰を旋回上昇した後、頻繁に海岸を周回して餌を求める活動経路が記録されています。
ミサゴの巣は、建設計画のある滑走路の延長線上付近にあります。航空機が往来すれば衝突の危険が生じます。滑走路区域にある岳之腰は平坦化されて旋回上昇が少なくなるとしていますが、岳之腰の消失と滑走路の供用はミサゴを絶滅の危機へと深刻な影響を与えかねません。
今年末にも岳之腰の切り崩し作業に入る見通しと聞こえる中、夕日を見れば、私は次の短歌を思い出します。

ぽっかりと夕日は赤き玉となり 彼方に見ゆる馬毛島染むる形岡イネ

岳之腰は何千年、何万年もそこに在り、先祖代々、種子島に住む私たちの心を癒してきました。歴史と文化を紡いできたかけがえのない景観を考えるとき、「岳之腰を残したい」となお強く思われてなりません。

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