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鉄砲館だより ぶんぶん文化財【第47回】

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鹿児島県西之表市

■民俗学者 下野敏見(しものとしみ)
~私の原点は種子島~

令和4年に92歳で亡くなった下野敏見氏(鹿児島市)は日本を代表する民俗学者です。ご遺族から西之表市に資料寄贈の申し出があり、鉄砲館へ約1000箱分の資料搬入が、昨年11月に完了しました。
下野氏は、知覧町(現:南九州市)の出身。25歳の時、中種子高校の教師として種子島に赴任。28歳で中種子町の方と結婚。30歳の時、たまたま見た郷土芸能の素晴らしさに感動し、メモを取ったことが本格的に民俗調査を始めるきっかけとなりました。さっそく中種子高校に地歴部を作り、生徒と共に調査活動の幅を広げると、その成果はすぐに実を結びます。33歳の時、「種子島民俗」と「種子島漁業習俗」2冊の調査報告書が高く評価され、第1回柳田賞を受賞したのです。(柳田賞:民俗学者柳田国男の亡くなった年に創設された民俗学の権威ある賞)
種子島高校に転任し、39歳まで種子島で過ごした後、いくつかの高校教師と鹿児島大学などの教授を歴任。その間も、全国各地は勿論、海外まで足を運んで調査活動が続けられました。
民俗学では調査対象を絞り、専門的に深掘りするのが一般的ですが、下野氏はオールマイティと評されるように、調査対象を絞らず、幅広い調査を展開しました。その根本には「種子島と比較して、他の地域はどうだろうか?」という基本姿勢がありました。下野氏の一番好きな分野は『種子島』だったと言えます。
調査資料(調査ノート・写真・書籍など)は、適切な保存管理を行い、内容把握に努めながら、今後も機会を見て写真展や資料展などの企画展を開催していきたいと思います。
(文責:文化財係長鮫島斉)

問合せ:種子島開発総合センター
【電話】23-3215

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