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市長独言No. 87…新牛乳パックと離島

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鹿児島県西之表市

6月の父の日を「乳(ちち)の日」とうたう種子島酪農女性部の皆さんから、種子島産牛乳の500cc入り新パッケージが今春から始まったと教えてもらいました。種子島の地図にロケットやハイビスカスの花をあしらったデザインは、従来の1リットルパックと共通です。コンパクトになった分、購入しやすいかもしれません。
種子島で生産される牛乳は現在、宮崎県内の工場で製品化され、西之表市内の工場で生産されていた18年前までより、原料も製品も輸送コストがかかります。海に囲まれた島は、陸路だけで間に合う地域に比べ、経済活動の採算面で特に大きなハンディを負っているわけです。
離島における輸送・交通費の軽減は積年の課題であり、市長として、国や県、関係機関に対して、改善の要望などに常に力を入れて取り組んでいるところです。
ところで、「離島」という用語には、しばしば違和感を抱きます。「本土」「本島」と呼ばれる北海道、本州、四国、九州、沖縄島の5島に対して、従属的なニュアンスを伴うだけでなく、不利な扱いも仕方がないとあきらめたり、当然のように見られたりしてはいないかと気になるからです。
2017年に制定された有人国境離島法は、国について、種子島など「特定有人国境離島」の地域社会維持に必要な財政上の措置を講ずることを定めています。同法により高速船運賃を安くする施策も実現しています。10年間の時限立法制定は私が市長に就任した年で、今から3年後の2027年に期限切れを迎えます。
経営環境が厳しい中で、おいしい牛乳づくりに奮闘する農家の稼ぐ力を高めることが求められています。輸送コスト解消など様々な格差是正、解消に取り組まなくてはならないと、改めて思います。

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