夏休み、西之表港も種子島空港も家族連れや観光客らであふれていました。
宇宙センター、千座の岩屋(ちくらのいわや)、プール、浦田海水浴場など、島内各地の観光スポットに歓声が響きました。市や町をあげての祭り、地域独自の祭りがめじろおしで、コロナや台風の影響で5年ぶりの開催という行事も多かったようです。
私事で恐縮ですが、我が家でも関東、関西、九州に住む子と孫たちが続々と来島しました。顔ぶれが勢ぞろいした一夜、外食に出ました。腕ききの板前さん夫婦が営む名店の細長い座敷。14人対面一列のテーブルに、島の魚の造りと牛肉たっぷりのすき焼き鍋をはじめ数々の料理に箸を添え、豪華に並んでいます。一同感激して立ったまま眺めていると、真っ先に小学3年生が、アカナ(バラフエダイ)の頭が存在感を示す刺身皿の前で「僕はここがいい」と座り込んだのを機に、「じゃあ、◯△はここ」「×□は…」と大騒ぎ。大人と子どもを分けた用意の座席エリアが崩れ、親たちはどうしたものか、思案投げ首の体です。そこへ、店の包丁人から雷が落ちたのです。
曰く、鍋は火が危ないので子どもから離した。刺身の大皿は大人が手を伸ばせる範囲に置いてある。子ども用には魚と肉の特別メニューを準備した。座席を変えると、やれ、取り皿をくれとか勝手なことを言い出す。近頃の子どもは走り回って他のお客さんの迷惑だが、今の親はやめさせない。だから本当は、子ども連れは入れたくない。席は、こちらで考えた通りに座って下さい。
公共の場でのマナー、しつけにわたる店主の注意は歯切れよく、座の混乱が一気に収束しました。「よく言って下さった」と、感謝の気持ちがふつふつと沸き上がる中で、大変おいしく、満腹、満足しました。
この夏、市民の皆さんも、それぞれ貴重なふれあいと体験があっただろうと、勝手に想像しています。
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