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「応援が力になる」は本当か

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鹿児島県霧島市

かごしま国体で大活躍を見せた地元選手。霧島市で開催された剣道や馬術をはじめ17競技30種目で優勝を勝ち取り、総合成績は2位。14位だった昨年のとちぎ国体から大きく飛躍しました。
開催地の利点の一つは、地元の応援があること。今回メダリストのインタビューでも、全員が「応援が力になった」と答えました。テレビなどでも、同様の言葉を耳にすることがあると思います。応援は選手・チームの勝利や成果を願っての行為ですが、果たして効果はあるのでしょうか。

▽「応援=力」の根拠とは
「応援を受けることが選手の身体的な能力や技術に直接的に作用するわけではありませんが、選手のパフォーマンスに影響を与えることは確かです」と話すのは、第一工科大学准教授でスポーツ科学分野を研究する中井雄貴さん(40)です。
「声を出すことで力が入ることは想像しやすいと思います。運動生理学では大脳の興奮を高めることで、脳から筋肉に命令する神経伝達を促進することが分かっており、応援されることでも同様の効果を得られるといわれています。海外で行われた研究では、声援がある場合とそうでない場合を比較し、声援がある場合には筋力が最大5%増強したり、動きの速さや持久力が向上したりするという結果が報告されています」

▽スポーツを楽しもう
応援が選手の力になる一方で、応援をする人たちにも良い影響があると中井さんは話します。「選手が頑張っている姿を見ることで、喜びや悔しさを疑似体験することができ、勝利の瞬間には大きな感動を味わうことができます。スポーツ観戦などで応援していると、血液中にアドレナリンが放出されて興奮状態になります。声を出すことで血行や代謝が良くなり、ストレス発散になるのです」

■さまざまな立場で国体・大会に関わった人を紹介した今回の特集。自分でメダルは取れずとも、応援して疑似体験し、感動を共有することはできます。コロナ下で制限されていた声援も解禁となった今、自分に合った方法でスポーツを楽しんでみませんか。

第一工科大学准教授
中井 雄貴さん(40)鹿児島市在住

[INTERVIEW]
絶対負けないという気持ちを声援が後押し
ハンドボール・少年女子4位入賞
福留 愛音(あん)さん(18)
隼人町出身。国分中央高校3年。かごしま国体で県選抜チームのキャプテンを務めた。隼人町在住。
兄の影響で、小学1年生の頃からハンドボールを始めました。高校に入学した時には既に国体の延期が決まっていたので、ずっと国体を見据えて競技と向き合ってきました。6月の九州総体では開催地・大分のチームに決勝で敗れ2位、7月のインターハイではベスト16と、思うような結果が出せず悔しい思いを経験。国体は勝利で終わろうと心に誓いました。キャプテンという立場に不安やプレッシャーもありましたが、開催延期のため出場できなかった先輩たちや今いる仲間のためにもやり切ろうと決意。絶対負けたくないという気持ちはみんな同じだったので、厳しい練習にも前向きに取り組み、本番を迎えました。会場ではたくさんの人が割れんばかりの大歓声で迎えてくれて、体中に力が込み上げてくるのを実感。目標だった優勝には手が届きませんでしたが、結果は4位と大きく前進できました。
最後まで楽しくプレーできたのは家族や友人だけでなく、運営や振る舞いなど陰で支えてくれた人たちがいたからこそ。地元開催の力を強く感じるとともに、感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。

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