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【人の風景】霧島に生きる Vol.180

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鹿児島県霧島市

■歴史を支えに、より大きな明かりをともす
(株)マイステイズ・ホテル・マネジメントMRM事業部
ビジネスマネジメント本部長 野並 健治さん(62)
東京都育ち。ホテル業以外にも、ユニバーサルスタジオジャパン飲食部門やキッザニア甲子園の責任者など異色の経歴を持つ。関西に妻と次男を残し、ホテルの一室で単身生活を送る。

昭和46(1971)年9月に開館した霧島国際ホテル。開館50年の節目を前に令和3年5月、施設の耐震強度などの課題を抱えた中、新型コロナウイルス感染拡大の影響が重く響き、同ホテルは閉館を余儀なくされました。
事態が変わったのは同年6月。ビジネスホテルの経営が主力の(株)マイステイズ・ホテル・マネジメントが、同ホテルの運営を引き継ぐことに。再建に尽力したのが、今年3月まで総支配人を務め、4月から西日本エリアを管轄するビジネスマネジメント本部長を務める、野並健治さん(62)です。「県内屈指の温泉郷から霧島国際ホテルの灯が消えるのはもったいないという思いがあった。『ありがとう』『おめでとう』という声がたくさん届き、このホテルが築いてきたものの偉大さを実感している。愛されているホテルだとおごらずに、以前よりもっと良くしていけたら」と熱が入ります。
営業再開後は、レストランを大規模改装。昨年4月にビュッフェレストラン・霧島湯けむりテラスをオープンしました。「地元のおいしい食材を生かした料理を、いろいろな形で楽しんでもらいたい」と話す野並さん。「団体利用が多かった数十年前と比べ、個人や家族での利用が増えました。時代に合わせ、誰でも利用しやすいようにと考え形にしたのが、ビュッフェ形式です。霧島のおいしい食材を味わいながら、名物の湯煙も楽しんでもらいたい」と笑顔を見せます。改装に合わせて、壁一面に市内の特産品や観光名所などを表現した日本画風のイラストを設置。霧島らしさを存分に感じられるレストランになりました。
「このホテルの1番の魅力は、ほかでもない温泉です。閉館を経験したからこそ、地域全体で魅力を高めていくことの大切さを感じています。同じ温泉郷内でも、少し場所が変わると泉質が異なります。魅力あふれるこの温泉郷をもっと盛り上げるために、SNSを活用して地域に若者を呼び込むなど、新たな取り組みも考えたい」
同ホテルは、施設の耐震強度などの課題解消に向けても動き出しました。改装・補強工事を行うため、5月から休館。かごしま国体・かごしま大会の開催が近づく8月ごろに再開予定です。「改装後は、霧島の名品が並ぶ売店やファミリー向けエリアなどを新設するので、新しくなったホテルを多くの人に訪れてもらいたい。半世紀以上の歴史を誇る霧島国際ホテル。これからも皆さまに愛される温泉宿を目指します」と力を込める野並さん。牧園の温泉郷に再びともされた灯は、さらに大きな明かりとなって霧島市を照らし続けます。

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