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【人の風景】霧島に生きる Vol.184

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鹿児島県霧島市

■和の文化、霧島の伝統芸能を世界に

松木 皇君(おうき)さん(16)
隼人町出身。松陽高校音楽科1年。小さい頃からトレードマークの長髪は、振り乱して太鼓をたたくため。初めての舞台は2歳8カ月。霧島町在住。

観客の表情を想像しながら、良い緊張感で演奏できた。何よりも、大舞台はいつも以上に楽しかった」と話すのは、松陽高校1年の松木皇君(おうき)さんです。7月29日に行われた全国高等学校総合文化祭・2023かごしま総文の総合開会式で、和太鼓を独奏。4年前、地元への感謝や世界の繁栄への願いを込めて自作した『~感謝太鼓~繁栄』を総文祭仕様に短く編曲し、力強い演奏を披露しました。
1歳半頃、霧島神宮紀元祭で見た天孫降臨霧島九面太鼓が松木さんの太鼓との出会いでした。「単に太鼓の音ではなく、九面太鼓のリズムが気に入ったんだと思います。それからは割り箸でリズムを取る遊びを一日中やっていたようです」と話す松木さん。6歳で九面太鼓のメンバーが指導する霧島育穂会に入り、現在は九面太鼓をはじめ、逆鉾(さかほこ)太鼓や霧島神楽、止上(とがみ)神社神舞(かんまい)保存会、日本舞踊などさまざまな団体・伝統芸能で活躍しています。
幼少期から太鼓やピアノに触れてきた松木さんですが、4歳ごろからは日本舞踊や神楽などを習い、太鼓から離れた時期がありました。「その時間があったからこそ、太鼓が好きだと再確認できた」と振り返ります。印象的なのは、演奏している時の楽しそうな表情。「日本舞踊で学んだ、曲調に合わせて表情に変化をつける技術が太鼓にも生きている。大好きな太鼓なので、意識しないと自然と笑ってしまうんです」と生き生きとした表情を浮かべます。
誰かに教わったわけでもなく、幼い頃から人一倍物を大事にする松木さん。演奏で使うバチなどの道具は、使い終えると指紋まで拭き取って大事に保管しています。「神様に奉納するからというだけでなく、命をいただいて道具にし、それを使って見ている人に感動を与えるのが役割。応援してくれる人への感謝だけでなく、物への感謝も忘れたくない」
伝統芸能の継承者は少なくなり、存続すら危ぶまれるものも多くあります。さまざまな伝統芸能を学ぶ松木さんは「鑑賞する人や趣味として触れる人が増えてほしい。まずは学生同士のコラボなど今しかできないことに挑戦して、若い人にも広めたい」と笑顔を見せます。
「いろいろな伝統芸能に触れて、日本の文化が好きなんだと気づきました。九面太鼓だけでなく、奥ゆかしさや美しさが感じられる、日本ならではの所作やリズムなどを、もっと多くの人に味わってほしい」
日本・霧島の伝統芸能を愛し、多くの観客の心を打つ松木さん。「次は世界を目指したい」と意気込みます。

■松木さんの演奏はこちらから
◇2023かごしま総文
総合開会式を視聴できます。(松木さんの演奏は17`45~21`15)

◇おうちゃんねる
松木さんを応援するメンバーで作成したYouTubeチャンネル。

※各QRコードは本紙PDF版15ページをご覧ください。

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