生きていく上で欠かすことができない「食」を未来につなぐ、私たちのまちの新規就農者や農業後継者などを紹介します。
嶋野 教宏さん(57)東京都出身、国分在住。
就農6年目。エスfarmラボ代表。
営農類型:施設野菜
経営作目:根菜類、葉茎菜類
営農面積:30a
「まず目で見ておいしいそうと感じる野菜を作りたい」と話す嶋野教宏さん(57)は、縁あって霧島市で就農しました。
東京で和食の料理人を経て、食材の買い付け担当として働いていた嶋野さんは、都内の飲食店に卸す食材を探しに霧島市を訪れます。「買い付けが目的でしたが、耕作放棄地の現状やさまざまな人との出会いをきっかけに、霧島に自社農園を作ろうと会社に提案して採用されました」
確実な卸先のある自社農園として順調に動き出したかに思えた矢先、新型コロナウイルスの影響で発注が軒並み無くなり、農園を閉め東京に戻るよう迫られます。しかし、嶋野さんが下した決断は独立することでした。「ゼロから手掛けたものを白紙に戻したくなかった。コロナ下で販路が無く、どん底を味わいましたが、会社を辞めたことに後悔はありません」と笑顔を見せる嶋野さん。味はもちろん、料理を魅せることにもこだわった野菜作りに、今日も励みます。
■嶋野さんが手掛ける色とりどりの野菜たち
和食の料理人という経歴から、料理に季節感と彩りを添えるさまざまな野菜を手掛ける嶋野さん。コロナ下で卸先が無くなった時も、自ら飲食店に足を運び、販路を開拓してきました。さらにキッチンカーで自家製カレーやドレッシングを販売したことも。そうして多くの人と出会い支えられ、今では市内外の飲食店や旅館などで嶋野さんの野菜は重宝されています。市内では産直レストラン黒豚の館やおりはし旅館などで味わえます。
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