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【人の風景】霧島に生きる Vol.191

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鹿児島県霧島市

「昨日よりかっこいい自分に」
野村弥生さん(45)
大崎町出身。
趣味は手芸などハンドメイド。
起きた時と寝る前のコーヒーが欠かせない。
国分在住。

選手と違いベンチに戻ることもなく、ときに数試合続けてグラウンドに立つこともある野球の審判員。どんな条件下であっても常に正確で公平な判定をするために、体力・知力をフル稼働させて試合を支えています。「プレーボールの声がかかると、それまで緊張していたのが嘘みたいに集中できます」と屈託のない笑顔で話すのは、県内で初めて野球の女性審判員になった野村弥生さん(45)です。
野村さんの父親は学童チームの監督を務めており、幼少の頃から野球が身近にある環境で野村さんは育ちました。「自分も野球をしたいという気持ちはありましたが、当時は女性が野球をしやすい環境になく勇気を出せなかった」と野村さんは振り返ります。「息子が野球を始めた小学生の頃、練習試合で審判を務めるのは選手の父親たちでした。なかなか人数が集まらなくて、私にできることがあればと父親たちに交じって審判を引き受けていました」と話す野村さんが正式に審判員になろうと決意したのは一昨年のこと。「子どもが中学の部活を引退するとなったときに、まだ野球に関わり続けたい、審判を本格的にしてみたいと思いました」
公式試合で審判を務めるためには、全日本野球協会などが定めるガイドラインにのっとり、まずは公認審判員3級の資格を取る必要があります。野村さんも先輩審判員から指導を受け、時間を見つけては審判の動きを学ぶためにグラウンドに足を運び、認定講習を経て昨年3月、公認審判員になりました。「認定は受けましたが、試合の中で覚えることの方が多い。一瞬で判断しないといけないし、すぐ次のプレーが始まるので切り替えも早くしないといけない。集中力を切らさないようにと心がけています」と話す野村さん。時間があればルールブックを読み込み、動画サイトで審判の動きを研究してまねてみるなど、技術向上に余念がありません。「初めて球審をしたのは、息子がピッチャーとして出ていた練習試合でした。緊張して目の前で何が起こっているか分からなくなるような感覚に陥ったことも。その時の悔しさをばねに、もっと経験を積んでかっこいいジャッジができるようになりたい」
野村さんは現在、2級審判員への昇級試験合格を目指し日々奮闘しています。「いずれは国際審判員の資格を取って、海外でも審判をしてみたい。そのために英語の勉強も頑張ります。女だからと思わず、過去の自分に負けないようにかっこよくなりたい」。そう力を込める野村さんの華麗なジャッジに大観衆が息を飲む、そんな瞬間を待ち望んでいます。

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