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【人の風景】霧島に生きる Vol.198

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鹿児島県霧島市

■物語はここから始まる
創業70年を超える老舗焼酎蔵がアットスター(株)横川蒸留所として新たな歴史を歩み始めています。「近年焼酎離れが進む中で、焼酎の温度管理や蒸留技術を生かし、霧島をウイスキーの名産地にしたいと製造に乗り出しました。実は日本から輸出される酒類の中で、輸出金額のトップはウイスキー。それぐらい親しまれているお酒です」と営業職と工場長代理を兼ねる伊古田大輔さん(44)は話します。
単式蒸留焼酎とは違いウイスキーの製造免許は新規取得が可能なものの、技術があるからといって簡単な道のりではありませんでした。全国各地の蒸留所に赴いて研さんを積み、設備を整え、製造できると認められるまでおよそ5年の歳月を要し、同社は令和5年5月に製造免許を取得。それからウイスキー造りを本格的に開始します。
焼酎とウイスキー造りの大きな違いは、蒸留の回数と熟成期間にあります。工場長の黒岩明玄(あきはる)さん(46)は「単式蒸留焼酎の蒸留は1回、ウイスキーは最低でも2回。その上雑味などを除くために、ハートと呼ばれる蒸留の中間部分だけを熟成させるため、より繊細さが要求されます。さらに、ウイスキーと呼ばれるようになるまで最低でも3年の熟成が必要です。どのように育っているのか、樽たるを開けてみるまで分からない」と話します。
技術があっても、販売できるまでに時間のかかるウイスキー造り。同社がウイスキーに活路を見出した理由に、この霧島という地があります。「霧島はなんといってもミネラル豊富な水。気候も温度差があり熟成に適しています。ウイスキーの名産地は寒冷地が一般的ですが、最近では台湾なども有名になっていて、温暖な気候だと熟成が早いのが利点。わが社は国分敷根にも蔵があるので、山側、海側で熟成させることができます。他にも試したいことは山ほどある」と伊古田さんは目を輝かせます。
現在、同社がふるさと納税の返礼品などで提供しているのが「ニューボーン」と呼ばれる熟成期間が3年未満のウイスキー。今、ここでしか味わえない物ともいえます。伊古田さんは「白ワインや赤ワインの樽で作った商品などがあります。今後もシリーズ化していく予定なので、ぜひ味わってもらえたら。3年後の育ったウイスキーと飲み比べるのも面白そうですね」とほほ笑みます。まだ完成形に至っていない霧島産ウイスキー。霧島から世界に誇るウイスキーを目指して、挑戦は始まったばかりです。

▽シングルモルトウイスキー霧島-2.0 NEWBORN
シェリー樽(たる)原酒とワイン樽原酒の2種類をブレンド
・DOG WALKER 2024
ポメラニアンandチワワ
・ELEGANT CAT 2024
赤猫and黒猫

●セールandプロモーション事業部・酒造事業部工場長代理
伊古田大輔さん(44)
東京本社と横川蒸留所を行き来している。
東京都在住。

●酒造事業部工場
長黒岩明玄(あきはる)さん(46)
好きなお酒は焼酎とウイスキー。
国分在住。

●酒造事業部課長
池之上真吾さん(53)
好きなお酒は芋焼酎。
国分在住。

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