市民のひろばサポーターの皆さんが、興味を持っているテーマを中心に、2期目の市政運営の展望や今年の抱負などについて、下鶴市長にインタビューしました
■市民のひろばサポーター 宮田さん
観光のこれからについて聞きました
□仙巌園駅開業。磯エリアを一年中海辺で楽しめる場所に
宮田さん:異人館などの「明治日本の産業革命遺産」が、今年で世界文化遺産登録10周年を迎え、3月にはJRの仙巌園駅の開業も予定されています。これらをきっかけに、鹿児島市の観光をどのように発展させていきたいとお考えですか。
市長:仙巌園駅の開業を機に、磯エリア全体を、冬の時季も含め、年間を通じて海辺を楽しめる場所にしていきたいと思っています。磯エリアの大きな魅力は、桜島の雄大さをどーんと味わえるところです。近いから迫力が違います。1回見て“よかった”で終わるのではなく、“楽しかった!”という思い出となってリピーターの旅行者を生むような、海辺の魅力を生かした体験型観光の仕掛けを、しっかりつくっていきたいです。
宮田さん:海辺の磯エリアで冬でも楽しめるというのは、例えばどんな展開をお考えですか?
市長:海沿いのカフェなどから錦江湾越しの桜島を眺めるのも、とても素晴らしい体験だと思います。また、体験型観光で食は大事です。桜島特産の小ミカンや桜島大根は冬が旬なので、これらもアピールしながら冬の磯エリアのにぎわいにつなげ、市民の皆さんにもぜひ楽しんでいただきたいです。
□多彩で新鮮な食は体験型観光の大きな魅力
宮田さん:魚類市場に取材に行って、多彩な食の恵みをもたらしてくれる海と鹿児島の近さを実感しました。豊かな自然が育む鹿児島の食の魅力について、どう思われていますか?
市長:何といっても、食材が豊富で、地元産だから新鮮ということですね。若いときは帰省すれば必ず、キビナゴの刺し身と鳥刺しを食べていました。東京ではほとんど食べられない。鹿児島に来たお客さんには、この2つを必ずお出ししています。
また、錦江湾では、市街地から船を出してすぐに釣りを楽しめるし、釣果を料理してくれるお店もある。本市ならではの海と食の楽しみ方があります。
食や自然など、豊富な体験型観光の素材は、本市の魅力として生かしていきたいですね。
■市民のひろばサポーター 崎山さん
子どもや若者のための取り組みについて聞きました
□子育て世帯・若い世代に「選ばれるまち」を目指して~稼げる仕事・子育て環境充実・ワクワクするエンターテインメント~
崎山さん:私は小学生の子どもの子育て真っ最中です。子育て世帯や子どもたちの未来のために、どのような取り組みを進めていかれますか。
市長:「子育てするなら鹿児島市」と、子育て世帯に「選ばれるまち」をつくっていきたいです。そのためには、(1)働く場と稼げる仕事、(2)子育て・教育環境の充実、(3)ワクワクするエンターテインメントの3つの要素が重要だと考えています。
なかでも、若い世代の人に「鹿児島市だと、将来子どもたちに多くのチャンスが与えられるよね」と選択していただけるよう、子育て・教育環境の充実にさらに取り組んでいきたい。1人1台タブレット端末やデジタル教材の活用を進めながら、生まれ育った環境に関わらず、子どもたち一人ひとりが、それぞれに合った教育を受けられる環境、チャンスを得られる環境をつくっていきたいですね。
崎山さん:鹿児島市は、進学や就職で都会へ出る人が多く、私の子どももそうなるかもしれません。地元に帰ろうと思ってもらうためには、何が大事だと思われますか。
市長:私が大学生の頃は就職氷河期で、鹿児島に帰りたくても就職先がないという声をよく聞きました。その当時に「若者が帰ってこれる鹿児島をつくりたい」と思ったのが、その後27歳で地元に帰ってくることになる最初のきっかけでした。
自分の体験からも、都会に出た方は、30歳前後で鹿児島に帰るかどうかの分かれ道がくると思っています。そのときに「選ばれるまち」になるためにも、先ほどお話しした3つの要素について、重点的に取り組んで、充実させていきたいと考えています。
((2)へ続く)
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