((1)の続き)
■市民のひろばサポーター 抜﨑さん
高齢者の生き生きとした暮らしへのサポートについて聞きました
□高齢者の皆さんも、支える方たちも 住み慣れた地域で自分らしく暮らせるまちに
抜﨑さん:私は今年で70歳です。2025年には人口の大きな割合を占める団塊の世代が後期高齢者となる中、これから高齢者が生き生きと暮らしていくために、どんな取り組みが必要だと思われますか。
市長:高齢者の皆さんが住み慣れた場所で、いつまでも自分らしく心豊かに暮らせるまちづくりはとても大切です。まず、元気な活躍を後押しする病気の予防や健康づくり、生きがいづくりに取り組んでいく必要があります。
そしてもう1つ重要なのが、認知症対策です。早期発見・早期対応はもちろん、認知症の人の家族も含めて支える仕組みをつくっていきたいです。
私の祖母が認知症になったとき、最初は、物忘れをしたら優しく教えてあげればいいんだと軽く考えていましたが、そうではなかったんです。認知症になると、性格まで変わってしまうこともあるのですね。そんな祖母に優しくしたくてもそうできず、自分を責めてしまう家族の辛さを痛感しました。
認知症は、本人だけでなく家族を含めて守る仕組みが必要です。また、サービスが必要な高齢な方の数は増えていく一方で、それを支える現役世代は減っていくので、サービスの提供の仕組みを変えていかなければいけません。デジタルの力も活用しながら、高齢者の皆さんにしっかりとした質のサービスを提供できる仕組みをつくっていくことが、本当に大事だと思っています。
□通院・買い物を支える地域の公共交通の課題解決に向けて
抜﨑さん:公共交通機関の便数が少なくなり、高齢者が病院や買い物に行く手段がなく困っているという話をよく耳にします。デジタルを活用した新しい交通手段も実験されましたが、公共交通の課題はどのようにお考えですか。
市長:課題の根源には、深刻な運転者の人材不足があり、就職奨励金などで人材確保の支援に取り組んでいます。
さらに、少ない担い手で交通サービスを維持する仕組みづくりも重要です。今年度、民間事業者さんと連携して、乗合送迎サービスの実証実験をAI(人工知能)を活用して行いました(「チョイソコかごしま」)。路線バスについては、乗り降りのデータを分析し、利用者の希望に一番かなったルートづくりなどを進めていて、乗り換え地点では買い物や交流ができるようにすることも検討していきます。今後も、交通手段の確保に向け、デジタルの力も積極的に活用していきたいです。
□身近なデジタル化をさらに推進
抜﨑さん:高齢者などでパソコンやスマホなどのデジタル機器になかなか馴染みがない人も、デジタル化の恩恵をさらに受けられるようになったらいいですね。
市長:高齢者向けのデジタル講習会などのサポートをさらに推進したいですね。お孫さんの写真をいつでも見られるなど、目的に応じてデジタルと楽しく付き合っていただけると思います。また、地域の中で、デジタルに詳しい人に先生となっていただく仕組みづくりも進めていきたいと考えています。
本市では、さまざまな手続きをインターネット上でできる取り組みを進めて、「行かなくていい市役所」の実現を目指しています。併せて、職員の現在の業務も効率化させて、市民生活や地域がより便利で快適になるように、デジタル化などの取り組みをさらに進めていきたいですね。
■2025年はどのような一年に
宮田さん:今、SNSを中心に鹿児島市の魅力を発信しています。特にグルメや観光スポットなど、国内外の人に伝えきれていない鹿児島ならではの良さがたくさんあるので、それらを、もっともっと広めていきたいです。
崎山さん:鹿児島市に引っ越してきて間もなくて、知らないところがまだまだたくさんあります。子どもと一緒に探検して、ワクワクする鹿児島市をどんどん発見する年にしたいです。
抜﨑さん:当面の目標は、今回が6回目の挑戦となる3月2日の鹿児島マラソン完走です。また、70歳という節目の年齢となるので、これまでの経験や自分が持つさまざまな知見を生かして、地域や社会に貢献していきたいです。
市長:私は2期目の任期のスタートを切り、これから、人口減少時代を乗り越え、次の世代に豊かな鹿児島市を引き継ぐために、最も重要な4年間が始まります。
多彩な魅力をさらに磨き上げて効果的に発信し、また、ICT(情報通信技術)を活用してこれまでの仕組みを変えていくことで、すべての人たちに“住みたい、訪れたい”と感じていただける、時代に、未来に「選ばれるまち」の実現に向けて全力を尽くしてまいります。
市民の皆さんや本市に思いを寄せてくださる多くの方々と一緒になって、前進していきたいと思います。
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