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自治体の皆さまへ

特集 自分らしく働く(3)

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三重県いなべ市

▼社会とのつながり
市内の生活困窮世帯の支援や不登校児童、ひきこもりの人への学習と就労を支援している「NPO法人ヴェリタス」の理事長服部邦夫さんに「社会とのつながり」について聞きました。

《special interview》
NPO法人ヴェリタス理事長 服部邦夫さん

▽人との関わり「長期戦は当たり前」
ヴェリタスを設立して今年で10年目。服部さんの担当は、ひきこもりの人の就労支援です。ひきこもりの人の自宅に通い、7年目にようやく本人と会えたこともありました。
「小学6年生から引きこもり、暗い部屋でずっとケータイを見ている子がいました。訪問しても一言も話さない日が続きましたが、ふとしたきっかけで会話が始まり、数年かけて信頼関係を築いたタイミングで、就労を勧めました」
履歴書の書き方を支援し、職場実習の日程も調整。就職して、給料で好きなものを買える喜びを知ったようでした。
ひきこもりの人への支援で、多くの人が「働きたい」という思いを抱えていると知った服部さん。ひきこもりの状態は一人一人違い、さまざまな理由で外との交流ができない人もたくさんいます。服部さんは「焦らずにゆっくりと家族や本人との信頼関係を築くことが何より大事」と話します。
少しずつ会話ができるようになり、外に出られるようになって、新たな道に進む気持ちが固まったときに一緒に仕事を探します。市内の企業とも連携し、得意なことが生かせる就労先の確保にも取り組んでいます。

▽「社会とのつながり」が人を育てる
受験がきっかけで41年間引きこもっていた人がいました。服部さんが支援に関わって、1年ほどで外出できるようになりました。服部さんは、「ずっと関わってくれる人を待っていたのでは」と感じたそうです。
少しずつ人との関わりを広げ、焦らずに自分に合った生き方を選択し、希望を持って生活できるように。服部さんは「社会とのつながりが人を育てる」と信じて活動しています。

◎ヴェリタスとは
生活困窮世帯への支援や不登校、ひきこもりの人の学習と就労を支援しているNPO法人です。本人以外の家族からの相談も応じます。相談・支援無料。秘密厳守。

問合せ:NPO法人ヴェリタス
【電話】37-4818

▼自分らしく働けるように
障がいのある人の生活面と就業面の相談支援を行っている「障害者就業・生活支援センターそういん」のセンター長中村弘樹さんに「理解し合う」ことについて聞きました。

障がい者総合相談支援センターそういん
障害者就業・生活支援センターそういん
センター長 中村弘樹さん(医療法人 北勢会)

▽お互いの理解が広まると、選択肢が増えていく
障がい者雇用は、企業の採用担当者だけが取り組むものではありません。障がいのある人が働きやすい環境は、みんなにとっても働きやすい環境につながるからです。それには一緒に働く人が、障がいにとらわれず、相手の「個性」を理解することが大切です。
口頭の指示が苦手な人がいました。職場が本人の個性を理解してマニュアルを作成したら、滞りなく仕事ができるように。個性への理解が広まると、本来の力を発揮できるようになります。
また、障がい者雇用ではなくても、企業と福祉がつながることで、多様な選択肢が生まれます。障がいのある人の中には、高い集中力で黙々と作業することが得意な人がいます。その得意を生かして、企業から福祉事業所に内職を発注し、企業の生産性を上げたケースがありました。本人と企業の双方にとって、働き方が多様になることで選択肢が広がっていきます。

〈個性への理解で働きやすくなった例〉
〇一つずつ完結する業務へ
勉強が得意で、複数のことを同時に考えるのは苦手。同時に複数のことを考える研究職から、一つずつ完結できる事務職に変更。長く働けるようになりました。

〇相談しやすい環境を整備
頑張り屋さんで、コミュニケーションを取るのは苦手。職場で相談しやすい人を決め、定期的に相談する環境を整えたことで、安心して働けるようになりました。

【さまざまなサポートがあります】
〈事業主の皆さんへ〉
研修会の実施や障がいの特性についての説明、雇用後の定期訪問(定着支援)、仕事の切り出し方の相談などを受け付けています。
〈当事者の皆さんへ〉
働く障がいのある人の集い「ひまわりサークル」を開催しています。

問合せ:障害者就業・生活支援センターそういん
【電話】27-7188

◎図書館の本紹介
「得意」と「苦手」を持ちながら、自分らしく働くヒントが書かれた本を紹介。
〇注文に時間がかかるカフェ たとえば「あ行」が苦手な君に
大平一枝著 ポプラ社
きつ音で「いらっしゃいませ」、メニュー、代金が言えず接客アルバイトを諦めてきた若者たちが、奇想天外な1Dayカフェを始めた。温かな感動ノンフィクション。

▽特集 自分らしく働く
少しの工夫を加えた多様な働き方があれば、苦手やできないことに隠れていた「得意」や「できること」が顔を出すかもしれません。一緒に働いている人を見て、「こうしたら、もっと働きやすくなるかも」と気付いたら、みんなで話し合ってみませんか。小さな気付きの積み重ねが、誰もが「自分らしく働く」ことにつながるのではないでしょうか。

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