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伊賀の歴史余話30

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三重県伊賀市

■西山に建つ二つの自然災害伝承碑
近年、数十年に一度と言われる集中豪雨による被害が、全国的に増加しています。
記憶に新しい「平成30年7月豪雨(西日本豪雨)」で大きな被害を受けた広島県安芸郡坂町の小屋浦地区には、明治40(1907)年に土砂災害があったことを伝える石碑が設置されていました。しかし、その内容は地域住民にあまり知られておらず、過去の災害の教訓は風化したものとなっていました。
このことが契機となり、平成31(2019)年、国土地理院は「自然災害伝承碑」の地図記号を新たに制定し、防災意識の向上に役立てるため、同院ウェブ上などで全国の伝承碑の情報を公開しています。
伊賀地域でも、これまで豪雨災害を繰り返し経験しています。中でも甚大な被害をもたらしたのが、昭和28(1953)年8月14日から翌日未明の豪雨によって発生した「東近畿大水害」です。
「山津波」と呼ばれる大規模な土砂災害に襲われた西山には、二つの伝承碑が建てられています。
果号寺境内の「山津浪水害遭難死者之供養塔」は、昭和32(1957)年に建立されました。西山で犠牲となった14人の氏名と年齢が刻まれています。
西山公民館前の「山津浪記念碑」は昭和35(1960)年に建立されました。その碑文には、西山の被害状況、各地からの支援物資や奉仕隊の来援に対する感謝の思い、災害から7年の歳月を経て復興の大略が完了したことなどが記されています。最後の一文は判読が難しい状態になっていますが、「山津浪忘るゝ頃に」と見えます。
身近に残されている伝承碑には、災害の記憶を次世代に継承し、再び犠牲が出ないようにと願う先人の思いが込められています。

問合せ:文化財課歴史資料係
【電話・FAX】41・2271

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