人権について考えるコラムです。
■ちょっとしたゆずりあいの心 -住民課-
長野県へ旅行に行ったとき、驚いたことがありました。買い物をした店の駐車場から出ようと長い車列の切れ目を待っていたときです。車が多いので、当分は出られないと諦めていましたが、道を譲ってくれた人がいたのでそれほど待つことなく出ることができました。親切な人がいるものだなあと感謝しながら次の店に行きましたが、そこから出るときも同様に道を譲ってもらえたのです。
後に知りましたが、ある調査によると長野県は「信号機のない横断歩道における車の一時停止率」で断トツの全国1位らしく、譲り合いの運転が根付いているのだと感心しました。
三重県ではこの一時停止率が低いことから、小学校を中心に児童が横断する際に停止してくれた運転手に「ありがとう」とあいさつする「まもってくれてありがとう運動」を推進しており、伊賀市でも同様に取り組んでいます。その結果、2019年の調査で一時停止率3.4%から今年は51.3%にまで伸び、運転手の意識がずいぶん改善されたようです。
本来、道路交通法では、横断歩道に歩行者がいる場合には、車両は一時停止しなければなりません。このことを人権問題の視点から考えてみると、歩行者から車両運転手に「おもいやり」を求めなければ、交通安全が保障されないというのは、人権が尊重されている社会と言えるでしょうか。
先日も出勤途中、登校中の小学生に道を譲ると、振り返ってお辞儀をしてくれました。とてもさわやかで気持ち良い朝でした。しかし、「まもってくれてありがとう運動」という運動がなくても歩行者の安全が守られる、そんな当たり前の社会を築いていく一員でありたいと思いました。
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