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自治体の皆さまへ

みんなでつくる認知症フレンドリーなまち(1)

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三重県四日市市

2025年には65歳以上の人の5人に1人が認知症になるといわれ、身近なことになってきています。一方で、新薬の実用化が期待されるなどの医学の進歩や、認知症の人の意思を尊重した支援などが広まりつつあります。本市でも、あなたやあなたの家族が認知症になっても安心して暮らせるまちを目指しています。

■教えて!三原先生(認知症専門医)
三原クリニック院長、認知症専門医、三泗区域連携型認知症疾患医療センター長 三原貴照先生
「早期受診・早期診断が大切です」

▽認知症って何ですか
認知症とは病気の名称ではなく、何らかの脳の疾患によって引き起こされる判断力や記憶力の低下により、生活に支障が出ている状態をいいます。

▽高齢者の病気ですか
年齢とともにリスクは上がりますが若ければ大丈夫ということでもなく、20歳前後で発症する場合もあります。80代後半ではおよそ3人に1人が認知症だと言われ、年齢を重ねるほど確率は上がります。長寿化が進む現在、誰もが認知症になりうるということです。

▽どんな症状がありますか
初期であれば、支障が出るのは日常生活の中の一部です。認知症の症状は疾患により多様で、不安が強くなったり、引きこもりがちになったり、何かを盗まれたなどの妄想があったりします。ただし症状が進んでも、昔からやっていることなどは体が覚えていたりします。

▽治らないのでしょうか
現在のところ、完全に治すことはできませんが、薬を使用することによって進行を遅らせたり、症状を緩和したりすることができます。どの種類の認知症か判断することで、今後の症状が予測でき、適切な介護につなぐことができます。

▽どのように対応したらよいですか
認知症の人を尊重し、簡単な言葉でゆっくり話したり、意見や感情に共感したりすると、本人の不安や不快感が和らぎます。症状が進んでいても感情はあるので、自尊心を傷つけないようにすることが大切です。

▽家族の行動に「あれ?」と思うことがあります
かかりつけ医がいる場合は、相談してみてください。本人が受診を渋っている場合でも、医師からの「専門医にかかってみたら」という提案が、受診への一歩につながる場合があります。各地区に一カ所ずつ設置されている在宅介護支援センターでも相談を受け付けています。医療関係者、福祉関係者、認知症の専門医による「認知症初期集中支援チーム」が自宅を訪問して、受診前のサポートをすることもできます。

認知症は、家族から見るといつ始まったかわからないため、なかなか受け入れることができない人もいます。「認知症だったらどうしよう」「認知症でないこともあるのでは」と不安や戸惑いがある人も多いですが、受診は認知症であることを受け入れる一歩になります。
家族だけで必死に介護して、心と体のバランスを崩してしまう人もいます。認知症の人を支えていくには、本人と家族を、受診前から受診後まで切れ目なくサポートすることが大切だと考えています。

●四日市市介護予防等拠点施設(ステップ四日市)
認知症支援の拠点として令和5年6月にオープン。
若年性を含め認知症の不安がある人や認知症と診断された人、その家族などからの相談を受け、適切なサービス、支援への橋渡しをします。

日時:8:30~17:15(土・日曜日、祝日、年末年始を除く)
【電話】348–4008

●認知症の人と家族の安心のために
本市では、認知症の人などが外出中に道に迷った時の早期発見・安全確保や、電車事故などで賠償責任を負った時の補償を整え、認知症になっても安心して暮らせるまちづくりを進めています。

▽認知症高齢者等SOSメール配信事業見守り協力者登録
メールで市民に協力を依頼します。(四日市市安全安心防災メールのサイトから登録してください)

▽認知症高齢者等安心おかえりシール交付事業
※QRコードシールで家族に連絡します

▽認知症高齢者等あんしんGPS給付事業
位置を検索できるGPS機器を給付します

▽認知症高齢者等あんしん保険事業
もしもの時の補償に備えます

※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です

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〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

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