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【特集】桑名の海の(隠れた)特産品「海苔の世界をのぞいてみよう」

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三重県桑名市

主役になることは少ないけれど、日本人にはなじみ深い食材「海苔(のり)」。
桑名の海苔は高品質と評判なのは、木曽三川から流れ込む山の栄養素のおかげです。
今回は、桑名の海苔のおいしさの秘密に迫ります。

■トラブル続きだった!?桑名の海苔づくり
私たちが目にする海苔は、パリッとした板状になったもの。有名な産地は「佐賀有明」をよく耳にしますが、実は桑名の海苔は、生産量こそ少ないものの味に定評があり、高級料亭などでも採用されるほどなのです。
しかし、桑名の海苔養殖は簡単なものではありません。江戸時代末期から養殖が始まりましたが、トラブル続きでうまくいかなかったそう。桑名の海苔養殖場は、木曽三川の淡水と伊勢湾の海水が混じり合う汽水域。満潮と干潮とで水温や塩分濃度が激しく変化し、養殖網に水が浸つかる高さも変わります。どの場所が海苔の成長に適しているのか、探し回ったそうです。
さらに昭和34年には伊勢湾台風が襲来。漁場はもちろん、家も畑も泥に浸つかってしまいました。しかし漁師・問屋が一致団結して奮起し、大豊作となったそうです。それからも収穫量の波はありますが、「桑名の海苔はおいしい」と日本各地から高評価を得ています。

■主流のスサビノリ、幻のアサクサノリ
現在、市場に出回っている海苔は99%以上が「スサビノリ」。一方、昭和の中ごろまで主流だった「アサクサノリ」は、養殖が難しく収穫量が少ないため、絶滅危惧I類に指定されているほどです。しかし、味はアサクサノリに軍配が上がります。そこで桑名の海苔漁師らは、三重県内でアサクサノリの野生種が発見されたことをきっかけに、ブランド化をめざして「伊勢あさくさ海苔」の名で復活を試みました。アサクサノリは他の品種に駆逐されやすいため、養殖時期や場所を他と分けておく必要があります。他の海苔よりも甘く、くちどけが良いと高評価であるものの、手間暇がかかり安定した生産にはまだまだ前途多難。今もチャレンジが続いています。

問合せ:この記事については秘書広報課
(【電話】24-1492【FAX】24-1119)

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