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自治体の皆さまへ

海苔の生産現場に聞く!桑名の海苔Q and A

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三重県桑名市

伊曽島漁協 事務局長
豊永 秀樹さん
「採苗や海苔の格付けなど何でもおまかせの海苔マスター!」

伊曽島漁協 組合長
服部 茂さん
「海苔を育てて50年!若手に海苔の育て方も教えます。」

Q.桑名の海苔がおいしい理由は?
豊永さん:桑名でおいしい海苔が採れる理由は、まず木曽三川の恵みが挙げられます。これだけ大きな河がある漁場は、全国でも他に見当たりません。山の栄養分をたっぷり含んだ水が漁場に流れ込むので、あの黒々とした海苔ができるんです。必要な栄養素は窒素とリン。毎週海水の中に、それらがどれくらい含まれているかを調査して、おいしい海苔がとれるよう気を配っています。
もう一つ、育て方もおいしさに影響します。杭を立てて網を張る「支柱柵」で海苔を育てる桑名の養殖方法は、潮の満ち引きによって太陽にさらされる時間帯が出てきます。すると、雑菌などが殺菌されて、うまみが凝縮され、おいしい海苔ができるんです。

服部さん:網を張る高さは「成長域」と呼ばれていて、ここに網がうまく浸(つ)かるよう随時調整します。しかも、毎年その高さは変わります。海苔は水に浸つかっている時に成長するので、あまり空気にさらされる時間が長くても、いい海苔が育たないんです。ここが漁師の腕の見せ所と言えますね。

Q.海苔の養殖で困っていることは?
豊永さん:近ごろ、育てた海苔をカモやクロダイといった野生生物が食べる被害が目立つようになってきました。ひどい時は一晩で何十列も食べられることも…。漁場を網で囲うなどの対策は行っていますが、完全に抑えることはできていません。

服部さん:異常気象なのか黒潮の大蛇行の影響なのかはわかりませんが、全国的に海苔の成長が遅れ気味です。そのまま見ていても何も変わらないので、自分たちが環境に合わせてやり方を変える必要があると感じています。
また、海苔の漁師が減少傾向にあることも課題の一つ。伊曽島漁協には現在、24人が所属していますが、一番若い人が40代、平均年齢は60代です。海苔漁が家族で行われてきたことによって就職先となる組織が少ないことや、海苔を加工するための機械が高価であること、収穫期には真夜中から夕方まで作業が続き過酷であることがネックになっています。でも豊漁の時は大きく稼ぐことができるので、若者が興味を持ってほしいですね。

Q.スーパーで桑名の海苔を見かけないのはなぜ?
豊永さん:実は、味付け海苔になると産地表示が不要になってしまうんです。さらに、桑名産の海苔は量が限られていることや、価格が高めになることから東京へ送られることが多く、地元ではあまり売っているところを見ないかもしれませんね。漁協にお越しいただくか、輪中の郷で販売していますので、ぜひ買って食べてください!

Q.今年の出来はどんな感じですか?
服部さん:海の色とか、現状を見ると悪くないかなと思いますが、天候次第なので何とも言えません。でも桑名の海苔はずっと高値を付けていますから、おいしい海苔が出荷できると思いますよ。

Q.海苔の等級ってどうやってつけるの?
豊永さん:海苔は各地区の検査員が等級付けをしていきます。色、つや、手触り、厚み。私は味もチェックします。等級ごとに見本となる海苔を設定し、比較して束ごとに分けていきます。だから年によっては、該当する海苔がない等級もあります。等級付けする海苔は1日100万枚。機械で等級分けする技術も研究されていますが、まだ実現には至っていません。

問合せ:この記事については秘書広報課
(【電話】24-1492【FAX】24-1119)

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